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最高裁=次期長官にバルボーザ氏=メンサロン裁判で一躍脚光

ニッケイ新聞 2012年10月12日付け

 連邦最高裁が10日、次期長官にジョアキン・バルボーザ氏(58)を選出、ブラジル初の黒人の最高裁長官が誕生することになった。11日付伯字紙が報じている。
 アイレス・ブリット長官が11月18日で定年の70歳を迎えるため、後任に選ばれたのはバルボーザ氏だった。最高裁では、同裁判所での在職年数が最も長く、かつ、長官職を体験してない人が長官に着くことになっており、2003年から在籍の同氏がこの規定に沿って選ばれた。任期は12年11月22日から2年間。副長官にはリカルド・レワンドウスキー氏が就任する。
 最高裁初の黒人長官となるバルボーザ氏は1954年、ミナス州生まれで、ブラジリア連邦大学で法律を学んだ後、フィンランドのブラジル大使館や連邦検察局につとめる傍ら、フランスのパリ第2大学で法律の修士号と博士号を取得。リオ州立大学で教鞭をとり、コロンビア大学など米国の3名門大学で学び、英、仏、独語が堪能というエリートだ。
 メンサロン裁判の報告官をつとめる同氏は、マルコ・アウレリオ・メロ判事や次期副長官のリカルド・レワンドウスキー校正官と激論を交し、現職議員にも厳しい票を投じており、ヴェージャ誌が「ブラジルを変えた男」と表紙にするなど、社会的注目度も上がっていた。
 法廷で争う姿が見られるバルボーザ氏とレワンドウスキー氏だが、バルボーザ氏は背中の痛みも抱えており、「2人で助け合いながらやっていきたい」と抱負を語った。
 メンサロン裁判は労働者党(PT)のジョゼ・ジルセウ氏ら主犯格3人を含む贈賄罪断罪後、PTのジョアン・マギノ、パウロ・ロシャ元下院議員らの公判に入った。