ニッケイ新聞 2012年10月18日付け
国家衛生監督庁(Anvisa)が、26種類の食品に含まれる塩分を調べた結果、ブラジル人は世界保健機関(WHO)が定めた基準の倍以上の塩分を摂っている事が判明したと16日付ブラジルメディアが報じた。
高血圧や糖尿病といった成人病の発生は食事によるところが大きいが、Anvisaが調べた26種類の食品中21種類は高血圧などの原因となるナトリウム(ソーディオ)が多く、食の見直しが必要な状態である事が判明した。
ナトリウムは塩(塩化ナトリウム)や重曹(炭酸水化ナトリウム)の主成分で、ナトリウムを含む電解質の血中濃度が高まると高血圧発症の危険度が増す上、肥満や心臓病、高コレステロールの誘発原因ともなる。ナトリウムを含む胃腸薬もあるので要注意だ。
Anvisaが調べた食品でナトリウム量が最も多かったのは粉チーズ(ケージョ・パルメザン・ハラード)で、100g当たり平均1981mg(最高2976mg、最低1100mg、1mgは1gの1千分の1)。次がインスタントラーメンの平均1789mg(最高2160mg、最低1435mg)で、以下、平均で、パルメザンチーズ1402mg、モルタデラ1303mg、鶏肉のモルタデラ1232mg、マヨネーズ1096mgと続く。
菓子類ではマンジョッカから作ったポウヴィーリョのビスケットの100g当たり1092mgが最多で、トウモロコシが原料のサウガジーニョ779mg、アグア・エ・サルのビスケット741mg、牛肉ハンバーグ701mg、ポン・デ・ケージョ558mg、極細のポテトフライ(バタタ・パーリャ)472mgと続く。
Anvisaが案ずるのは、食品に含まれるナトリウムが多いと、塩分の摂り過ぎや高血圧、糖尿病といった成人病発生に繋がる事。ブラジル人の塩の平均摂取量は1日12gで、WHOが定めた基準(塩5g、ナトリウムなら2g)の倍以上だ。ナトリウムが多い食品には子供が好む物も多く、メーカーによってナトリウムの量が14倍も違う食品もあるので、購入の際は注意を要する。
インスタントラーメンやマヨネーズ、菓子などの加工食品は、Anvisaと企業との間で塩分削減の合意が成立しており、13年以降のナトリウム含有量の目標値は最高で、インスタントラーメン1920mg、マヨネーズ1283mgなどとなっている。
栄養士達は、味付けにはニンニクやレモン、オレガノといった香味野菜を使う、塩を食卓に置かない、酢を上手に使う、加工食品の代わりに生の材料を食すといった方法で、塩の摂取量を減らすよう勧めている。加工食品を避ける事は糖分の過剰摂取削減にも繋がる。