ニッケイ新聞 2012年10月18日付け
下院の憲政委員会が国内総生産(GDP)に対する教育費の割合を現行の倍にするプロジェクトを可決し、上院に送った。17日付フォーリャ紙が報じている。
承認されたのは、「全国教育計画」を発足させ、国の教育費を現状の国内総生産(GDP)5%から10%に増大させるという有効期間10年のプロジェクトで、11月初旬に上院で審議される。
アルリンド・キナリア下院リーダーによれば、このプロジェクトは「予算の出所も責任者も確定されておらず、上院で肉付けする余地がある」ため、上院で修正後、下院に差し戻される可能性がある。
委員会に提出されたプロジェクト原案はGDPの7%で10年となっていたが、教育関係者からの圧力があり10%に引き上げられたという。教育費がGDP比5%という現行の数字は、先進国の水準を表す指標のひとつとなる経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均4・6%を上回っており、決して悪い数字ではない。7%という数字も教育への投資率がOECDで最も高いデンマークと同じ数値だった。
また、岩塩層下の油田に関しては、分配金や税収などで入ってくる金額の50%を教育費に充てることになっている。
プロジェクトでは、2016年までに4〜5歳児は全員幼稚園に入れ、3歳以下の子供も最低50%を保育所で受け入れることや、公立学校の教師育成の強化などの目標も設定されている。
政府は資金源さえ確定すればGDPの10%を教育費に充てることに賛成の意向を表明。岩塩層下油田からの収入の半分を教育費にとの案も、アロイジオ・メルカダンテ教育相やイデーリ・サルヴァッチ大統領府政治調整担当長官が擁護する姿勢を見せているという。