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「A・ブラジル」が最終回=ブラジル久々の現象的ノヴェーラ

ニッケイ新聞 2012年10月19日付け

 TVグローボで3月から始まり、大好評を博している9時のノヴェーラ「アヴェニーダ・ブラジル」が、今日19日で最終回を迎える。17日付伯字紙が報じている。
 グローボ局夜9時のノヴェーラはブラジルのTVで70年代以来最高視聴率番組であり続け、世論調査統計機関(Ibope)の統計で50ポイント(視聴率約75%)を獲得する番組も珍しくなかった。だが、この10年は多チャンネル化が進んで視聴率が下がり、08年以降は視聴率が40ポイントを割り込む番組が続いていた。
 そんな中、同時間帯に視聴者を取り戻すことに成功したのが「アヴェニーダ・ブラジル」。米国アカデミー賞の候補にもなった98年の大ヒット映画「セントラル・ステーション」の脚本家ジョアン・エマヌエル・カルネイロが手がけたこともあり、放送開始直後から40ポイント台を獲得、その後も安定した視聴率を維持してきた。10月8日の視聴率は49ポイントで、サッカー・リベルタドーレス杯決勝第2試合「コリンチャンス対ボカ・ジュニオールズ」戦を抜き、今年の視聴率の1位となった。
 成功の立役者はアドリアーナ・エステヴェス演じるカルミーニャだ。元夫の死後、幼い連れ子だったヒロインのニーナをゴミ溜めに捨てるなどの悪事を重ねるカルミーニャは、この時間帯のノヴェーラで伝統的に人気の高い女性悪役でも傑出した存在となった。最終回近くで展開されたカルミーニャの元恋人・マックスの死をめぐるミステリーも、この1週間インターネットで最も話題にされた話の一つだ。
 なお、今日予定されていたフェルナンド・ハダジサンパウロ市市長候補の応援演説の日程をジウマ大統領が変更したのは、同番組のファンを公言する大統領が最終回の時間と重なるのを嫌がったためだ。