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読者の声を聞く= 近郊ニュース増やして!=内容は充実、ルビに好感=「遅配はダメ、しっかりせよ」との苦言も

ニッケイ新聞 2012年10月27日付け

 来年3月にニッケイ新聞は記念すべき創刊15周年を迎える。前身であるパウリスタ新聞の創刊は1947年1月(日伯毎日新聞は49年1月)で、そこから数えれば今年で65年目だ。そこで来年3月を中心にして前後1年間を記念期間と考え、10月からプレイベントの第1弾としてこの記念特集を出すことになった。将来を見通すためには、まず読者の声に耳を澄ませる必要があると考え、苦言も含めて聞いた。ここに出た意見のほか「こんな記事がよかった」「あんな記事をもっと読みたい」「こんな記事はいらない」「ルビの付いた頁を増やしてほしい」「日本のニュースはNHKを見ているからもっと少なくしてもいい」など何でもよいので今後もいろいろな声を寄せてほしい。 (敬称略)

新聞を読むのが楽しみ=中山 實(91、山口)、1929年移住

 私の毎日の楽しみは、新聞を読むこと。特に、青年時代に住んでいたマリリアや、ロンドリーナの記事が出ると懐かしくて嬉しい。
 どこも段々一世が減って二世の時代になっているが、サンパウロの二世は日本語には関心がない。でも、田舎はまだ一世が多く残っているし、日本語の新聞を読む二世も結構いる。新聞を近所で交換して読んだりもしている。
 だから、読者を増やすためには、田舎のニュースをもっと報道したらいいと思う。地方の人は記事を書いてもらったらきっと喜ぶ。これで、もう50年くらいは維持出来るんじゃないか。
 ニッケイ新聞のいい所は、二世や三世も読めるように、ポルトガル語だけの新聞も出しているところ。山中伸弥さんがノーベル賞を取ったというような、この前報道されていた日本のいいニュースも大きく載せたらいいと思う。

法律相談が特に良い=松井 一子(71、熊本)、1954年移住

 ニッケイ新聞の記事は全ていい。有名な人の歴史(国際派日本人養成講座)もあるし、自分ではやらないけど俳句のページも見る。年を取ってきたから、健康のページも喜んで見ている。ブラジルのニュースだけは、テレビで見るから余り読まない。
 特にいいのは、読者の質問に弁護士が答えるコーナー(ニッケイ法律相談)。私は昔、無知なせいで持っていた土地をなくしてしまったことがある。法律関係のことは素人が調べるには難しいから、すごく勉強になる。
 やっぱり、知りたいのはコロニアのニュースだから、サンパウロだけじゃなく、近郊のニュースもどんどん出してほしい。自分の住んでいる地域のことが載ると、誰でも一生懸命読むから。
 一つだけ困るのは、新聞が遅れて届くこと。あんまり遅れると古新聞になってしまう。

成功者でなく普通の一世を=北 浩(69、愛知)、1958年移住

 私は日本人なので、同じ一世の感想文や体験談を読むのが好き。コラムや大耳小耳、プラッサや投稿、色々あるけど、意見に共感する時は本当に満足する。「こう思っているのは自分だけじゃなかった。まだまだ同士がいる」と思って。でも、こういう記事を書いてくれる人が減っているのが残念だ。
 率直な感想としては、県人会に関する記事が多いと思う。もっと、今生き残っている一世がどんな理由でブラジルに来て、どんな生活を送っているかを書いてほしい。成功している人じゃなくて、普通の一世。日本に50年も帰っていなかったり、一人で苦労したりしている人はたくさんいる。どうやって暮らしているのかとよく思う。
 困るのは、配達が遅れる時に、遅れる理由の説明がないこと。説明してもらえれば納得する。電話しても出ないことが多いのも困る。窓口は、必ず読者の呼びかけに応えてほしい。

料理欄を見るのが好き=大矢 みどり(73、群馬)、1959年移住

 いつも日本各地の情報や日系社会の情報を届けていただき、ありがとう。
 「群馬日本語教室」の紹介や「65周年記念式典」、コーラス部や婦人部の「あけぼのホーム慰問」などの活動状況を記事にしていただいているのは、私どもにとって本当にありがたいこと。記事は切り取っておいている。これからも群馬県人会や日系社会のことをたくさん書いてほしい。
 私自身は料理が好きなので、料理コーナーをよく見る。中国とか、他の国のご飯やデザートの作り方を載せてもらえたら、自分でも作って皆に食べさせてあげたい。
 ルビがついているのはとてもいい。読めない人もいるもんね。それに、ニッケイ新聞は説明が細かくて分かりやすいので、ありがたい。

ルビ付け良い、続けて=高橋 幸衛(64、宮城)、1967年移住

 ニッケイ新聞は邦字新聞の中で、ニュースが一番充実している。特定の話題に偏っていないと思う。
 私は日本人なので、日本の政治や領土問題を報じているニュースのページが好き。日本の政治がどうなるか、社会的に見て日本の立場がどうなっていくか、海外に出ていてもこだわりがある。やっぱり、日本に関する記事を読まなければ満足感は得られない。日本のニュースは新聞だけではなくて、インターネットでも見ている。
 一世がだんだん減っているから、漢字に読みがなをつけているのは本当にいいことだ。学校を中途半端で出てきた人は、いちいち辞書を引いてみないといけないから、このまま続けて欲しい。

東西やコラムが面白い=平野和則(66、愛媛)、1960年移住・石塚清和(66、茨木)、1975年移住

 新聞は毎日、日本のニュースからブラジルのニュースまで、すみずみまで読んでいる。
 樹海や大耳小耳、東西南北やオーリャなど、コラムは現実的で読んでいて面白い。法律相談も参考になるし、6面の肩の記事もいつもニュースより読みがいがある。
 日本のニュースは、政治関係のトップ記事だけ載せたらいいんじゃないか。あとは、その関連記事で埋めてしまい、他の小さいニュースはなくしてもいいと思う。あと、宗教関係はもっと小さくしていい。その宗教に入っている人は読むけど、入っていない人は読まない。皆が関心をもつ記事を大きくしてほしい。