世界187カ国の発展の度合いや人々の生活の質を示す最新版の人間開発指数(HDI)が24日に発表され、ブラジルは0・744で79位にランキングされたと25日付伯字紙が報じた。
国連開発計画(Pnud、英語の略ではUNDP)による評価は、平均余命指数と教育指数、GDP指数の3指標の平均で計算され、最低が0、最高が1となる。
今回のブラジルの評価は、国連が2013年11月15日にまとめたデータ(平均余命73・9年、平均就学年数7・2年、個人年収1万4275ドル)を基に計算されており、昨年評価時の0・730より向上。今年も高度開発国(0・700以上、0・800未満)の範疇に入っている(0・800以上は超高度開発国、0・700未満は、中度開発国と低度開発国に分かれる)。
だが、連邦政府は24日、Pnudは古いデータを使っており、最新の平均余命74・8年、平均就学年数7・6年、子供が今後就学しうる年数(平均余命の教育版)16・3年(Pnudは15・2年を採用)などを使えったHDIは0・764になり、67位になるはずと苦言を呈した。
これに対しPnud側は、どの国も13年11月現在のデータで計算しており、不公平はないとしている。
これに対し、各分野の専門家は、近年のブラジルが発展しているのは確かだが最新データを使っても指数の差は僅かとし、乳幼児の死亡率や上下水道の普及率など、抜本的な政策を立てて改善すべき点が山積みだと指摘。
所得転移に貢献したとの声が国連でも出ているボウサ・ファミリア(生活扶助)は、昨年中245億レアルを支出。生活扶助導入でブラジルの極貧層は16%減り、極貧層へのインフレの影響が和らいだとされるが、生活の質向上は所得増だけではなく、住宅や保健衛生、雇用、質の高い教育などへのアクセス改善を図らなければその効果は短期的との声も出ている。
また、社会格差による減点を厳密に行なえば、ブラジルのHDIは低開発国レベルの0・542まで落ちるとの声もある。最も格差がある所得では39・7%減点され、教育では24・7%、保健衛生では14・5%の減点となるという。
また、ブラジルでは5歳から就学しているから子供が今後就学しうる年数は16・3年で、英国の16・2年さえ上回るとの政府の弁は、中途退学や留年が多く、憲法に定められた8年間の義務教育は40年以上かかっても徹底出来ていないとの批判にさらされた。