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サントス港のランク低下=12港で下から2番目=南米最大の港の弱点は?=政府の対応の遅れ反映か

ニッケイ新聞 2012年11月7日付け

 8月の貨物取扱量が1054万トンを記録し、開港以来の記録を更新したサントス港が、国内12港の中でのランキングを年々下げており、2011年はサルバドール港に告ぐ最悪の港と評価されたと4日付エスタード紙が報じた。

 サントス港の貨物取扱量は南米最大で、8月が史上最高、9月も史上2位の取扱量を記録。年間取扱量は1億トンを超えると見られているが、これだけの貨物を扱う港でありながら、運輸大手157社の港湾関係者189人による港湾ランキングは下がる一方だ。
 ロジスティックとサプライチェーン研究所(Ilos)発表の港湾ランキングによると、2012年のサントス港の順位は12港中11位。2007年は9位、2009年は10位だったから、年々下降している。
 1位はサンタカタリーナ州のサンフランシスコ・ド・スル港で、10位までは、リオ州イタグアイー、ペルナンブコ州スアペ、リオ州リオ、サンタカタリーナ州イタジャイー、南大河州リオ・グランデ、エスピリトサント州ヴィトリア、アマゾナス州マナウス、パラナ州パナラグア、セアラ州ペセンと続く。
 サントスの12年の評価は07年の6・3から7・3に向上したが、他の港も改善したためにランキング低下と言うのはIlosのパウロ・フレウリ所長だ。
 サントス港での主な苦情は、ブロクラシー(官僚的組織構造)61%、港湾能力の不足53%、高速道路へのアクセス51%、料金/港湾コスト51%、貨物を扱うインフラ49%など。
 サントス港の荷は大半がトラック輸送で、鉄道輸送はコンテナの1%と穀物輸送の10%のみ。残る貨物は1日1万5千台のトラックによって搬入出されているため、道路へのアクセスはコンテナ処理時間と共に運転手の頭痛の種だ。道路網の整備にはサンパウロ州政府も加わり、右岸側は整備が進んだが、グラジャウのある左岸側はアンシエッタとの間のミニ環状線建設計画などが遅れている。
 コンテナの処理能力はほぼ限界だが、エンブラポルトとブラジル港湾ターミナル(BTP)のターミナス増設で、2013年からの取り扱い能力は20フィートのコンテナ310万個分から800万個分に引上げられる。
 選挙後に公表されるはずの政府の全国港湾ロジスティック計画はまだ発表されていないが、07年4位、09年7位、12年9位のパラナグア港関係者は、港湾ランキングは過去50年に及ぶ政府の対応の遅れを反映したものと批判。国内有数の大豆輸出港であるパラナグア港は収穫期にはトラックが列をなす事で知られ、官民共同の解決策が必要とされていながら改善が進んでいない。
 ブロクラシーの問題解決のために導入されたポルト・セン・パペル(通関書類の電子化)の早期普及など、各港が解決すべき問題はまだまだ山積しているようだ。