ニッケイ新聞 2012年11月14日付け
【既報関連】サンパウロ州と連邦の両政府が協力し、密売や麻薬・武器の流入を防ぐための高速道路の検問などを19日から始める。14日付エスタード紙が報じている。
アウキミンサンパウロ州知事は12日、州庁でジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法務相や州と連邦政府各々の保安局、裁判所、検察局要人らと40分の会合を行なった。
そこで決まったのは、6日に連邦政府と州政府が発表したように、連邦と州の警察が協力して徹底取締りを行なうことで密売品や武器、麻薬のサンパウロ州への侵入を防ぐというもので、取締り対象となるのはサンパウロ州への入り口となる高速道路や港湾、空港などだ。
だが、州と連邦の警察に財務省や国税庁の職員も加わり、情報を交換しあう司令センターは、2014年のワールドカップ前にしか開設できないことも明らかとなった。
12日の会合では、どの部署がどのような形で財政面を担うのか、どのような形で犯罪組織の金脈を断ち切るのかといった具体的な話までは至らなかったが、連邦警察のロベルト・トロンコン・フィーリョサンパウロ州支部長によると、情報の共有は、現在も日常的に行われているという。
逮捕済みの州都第一コマンド(PCC)幹部のサンパウロ州外への移送が近日中に行われる見込みであることも確認された。パライゾポリスの首領で密売者たちに軍警殺害司令などを出していたフランシスコ・アントニオ・セザーリオ・ダ・シウヴァ(通称・ピアウイ)容疑者が8日に州外の連邦刑務所へ移送されたほか、3人の密売者がより厳重な扱いをするサンパウロ州内の刑務所に移送された。
犯罪で使われた武器やブラジルに持ち込まれた麻薬の出所を調べるための技術移転も確認されたが、囚人が監獄内で使う携帯電話の封鎖の件は「技術的な問題がある」ということで未解決のままだ。