ニッケイ新聞 2012年11月15日付け
社会民主党(PSD)党首のジルベルト・カサビサンパウロ市市長は13日、自分としては2014年の統一選挙でジウマ大統領の再選を支持することと、党として再選を支持するか否かは2013年の党大会で決まることを示唆した。14日付伯字紙が報じている。
ジウマ大統領は2013年2月1日に閣僚人事の異動を発表する予定だが、その焦点となっているのは、サンパウロ市市長選の決選投票でフェルナンド・ハダジ次期市長(労働者党・PT)支持に回ったガブリエル・シャリッタ候補(民主運動党・PMDB)をどの大臣職につけるかということと、大臣職を狙っていると噂されるPSDにどう対処するかということだ。
2011年に野党の民主党(DEM)議員らも吸収して発足したPSDは、設立以来、独立を建前としており、党としての与党支持を表明していなかった。だが、カサビ氏本人は今年7月頃から「今、大統領選挙があったらジウマを支持しても構わない」との旨の発言を行なっていた。ただ、サンパウロ市市長選の際は、カサビ氏が副市長だった2004〜06年に市長だったジョゼ・セーラ氏が出馬した縁もあり、民主社会党(PSDB)の支持に回っていた。
カサビ氏は12日にブラジリアで大統領と会食を行い、13日に「党としてではなく、個人的な見解だが」と前置きした上で「14年のジウマ再選を支持する」と語り、「PSDは今すぐに大臣職につくか否かよりも、党として14年に誰を支持するかを話し合うべきで、党がジウマ再選を支持するなら、この上もない喜びだ」とした。
カサビ氏の側近の話によると、PSDが連立与党に入った場合には都市相や運輸相などの主要な大臣職をとの声も上がっていたが、大統領との会談では、国会ではまだ設置が承認されていない、零細・小企業相という話が出たという。
これに対し、13日にカサビ氏と対談したPSD議員たちは、国会の第4勢力であり、政府支援の姿勢もみせてきたのに「なぜ新規につくろうとしている零細小企業相程度の役職なのか」と不満の声も漏れたという。
カサビ氏が14年に焦点を当て、今すぐ閣僚ポストをといわないのは、PTの現閣僚中6人が知事選に出馬すると予想され、要職に食い込みやすくなるからだと考えられている。知事選出馬が噂されているグレイシー・ホフマン官房長官やアレッシャンドレ・パジーリャ保健相などの現時点での退任予定はない。
カサビ氏自身は中央政界より、14年の上院議員選か、PTから出馬するサンパウロ州知事候補の副知事を狙っているとみられている。