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ニッケイ新聞 2012年11月15日付け

 ペデレイラ文協の式典は、入念な準備と行き届いた気配りが随所に現れていた。舞台左には日本語学校の生徒による大がかりな折り紙細工が飾られ、表彰する功労者の写真や経歴がスクリーンに映し出されるなど、見たことのない演出がそこかしこに。しかも来賓を壇上に呼ぶときは着物を着た女子生徒が迎え、永山会長が右端に立って一人ひとりに握手、さらには「ニッケイ新聞の◎◎さん」と記者の名前まで呼ばれ、こちらは呆然。記者まで一来賓として扱うほどの丁寧さに驚愕の思いだったが、国歌斉唱後はすぐに壇上から降りて取材を続けさせてもらう。やはり慣れない壇上より、舞台のかぶり付きが記者の指定席か。
     ◎
 9日、日本人代表・宮崎辰さん(35)が給士の腕を競う世界大会「クープ・ジョルジュ・バティスト」(東京で実施)で優勝したとネット上の報道で知った。支給する際の礼儀作法から料理にあったワインの選び方まで、14カ国24人と競った。宮崎さんは「日本人のきめ細かなサービス、気配り、繊細なテクニックが評価されたと思う」と語ったという。そんなニュースに喜んだ翌日、豪雨の降る中、サンパウロ市自宅の近くにある軽食店に行くと、客が少ないせいで早くも閉店の準備中。対応した女性はすでに頭は閉店のことでいっぱいの様で、注文を何度も確認した挙句、料理を間違えた。そういえば今年の同大会、南米からの参加者はなし。日本人の優勝が朗報とはいえ、遥か海の向こうの話か…と遠い目。