ニッケイ新聞 2012年11月20日付け
サンパウロ市の名門サッカー・チーム、パルメイラスが10年ぶり2度目となる全国選手権での2部降格が18日に決定し、サンパウロ州のサッカー・ファンに波紋を投げかけている。19日付伯字紙が報じた。
全国選手権18位のパルメイラスはリオデジャネイロでフラメンゴと対戦した。前半17分、ヴィニシウスのゴールで先制するも、後半43分、ヴァギネル・ラヴにゴールを決められ、1—1で引き分けた。
パルメイラスの試合終了3分前の18時52分、15位のバイーアがポンテ・プレッタに1—0で勝利し、21時20分、16位のポルトゲーザがグレミオに引き分けたことで、勝ち点で16位以内に入れないことが確定し、パルメイラスの2部降格が決定した。
パルメイラスの選手たちはサンパウロ市へと戻るバスがヅットラ街道を走っている間に降格を知り、涙に暮れた。バスの周囲にはファンの暴動を恐れ、護衛のパトカーがつけられていた。バスは19日0時40分にサンパウロ市バラ・フンダにあるパルメイラスの練習場に着き、待ち構えていたファン4人が罵声を浴びせたが、警備隊が追い返し暴動は起きなかった。
パルメイラスは全国選手権最多の8回の優勝を誇る名門とあって2部降格は直ちに大きな話題となり、19日はフォーリャ、エスタード紙共に落胆するファンの写真を掲載して一面トップで報道。スポーツ面もフォーリャ紙が6頁、エスタード紙が5頁を割いて特集を組んだ。
パルメイラスが2部に降格するのは初めてではなく、2003年にも1年だけ経験している。だが、前回の降格時は、その前の10年で99年のリベルタドーレス杯制覇をはじめ、11大会で優勝していたのに対し、今回の降格前の10年は、03年の2部優勝と今年のブラジル杯を含めわずか3回しか優勝がなく、その間にオーナーも4人代わるなど、勢いのなさと内部でのいざこざを心配する声が絶えない。
エスタード紙は「パルメイラス降格」の理由として「選手補強の失敗」「ブラジル杯優勝での選手の気の緩み」「フェリポン前監督によるチーム批判」「主力選手のケガ続出」「ファンの暴動を恐れ試合に集中できない」などをあげた。
パルメイラスの新スタジアム、パレストラ・アリーナは2013年にサンパウロ市西部に完成するが、それまでは本拠地がなく、試合毎の移動を余儀なくされたことも降格理由にあげられている。また、ブラジル杯での優勝により来年のリベルタドーレス杯には参加できるが、50年を超える同杯の歴史上四つ目の2部チームの参加となる。