ニッケイ新聞 2012年11月30日付け
連邦最高裁判所は28日、ロベルト・ジェフェルソン被告(ブラジル労働党・PTB)に対し、メンサロン事件を暴露し捜査に協力したことを認め、禁固刑の刑期を7年17日に短縮した。対照的に、元下院議長で労働者党(PT)のパウロ・クーニャ被告には、9年4カ月の実刑判決が下った。29日付伯字紙が報じている。
28日に刑が決まったのは3人で、ジェフェルソン被告は収賄と資金洗浄(マネー・ロンダリング)で7年14日の刑と72万800レアルの罰金、クーニャ被告が収賄、資金洗浄、公金横領で9年4カ月の刑と37万レアルの罰金、PTB第一秘書のエメルソン・パルミエリ被告は収賄、資金洗浄で6年の刑と24万7千レアルの罰金が言い渡された。
ジェフェルソン被告の刑期は当初、10年6カ月10日になると見られていたが、捜査への協力が認められ、減刑となった。同被告はPTB党首だった2005年5月、「ヴェージャ」誌に、自身も収賄を行なったのを認めた上で、PTが連邦政府への支持取り付けのために下院や政党党首などに毎月の贈賄を行なっていると暴露した。ジョアキン・バルボーザ最高裁長官は「ジェフェルソン被告の告白がなければ犯罪計画が見逃され、この裁判も行なわれていなかった可能性が強い」との見解を示した。刑期軽減に対してはリカルド・レヴァンドウスキー副長官のみが反対した。
刑期が8年を下回り、昼間の外出許可などが認められるセミ・アベルトが適用されたジェフェルソン被告は判決直後、自身のブログに英語で「不平を言わず、説明せず、謝罪せず」という、19世紀のベンジャミン・ディズレーリ英国首相の言葉を書き残した。温情判決は得たものの、同被告の弁護士は公判終了後に同被告の無罪を求め上告する意向だ。
一方、クーニャ被告に対しては、最低でも1年6カ月投獄される重い刑が科された。資金洗浄については、11月14日の公判後退任したアイレス・ブリット元長官の票も含む6対5で断罪されたため、5対5となった時点で資金洗浄が免罪扱いとなれば、投獄は免れられるはずだった。
同被告は、メンサロンの主犯格のマルコス・ヴァレーリオ被告が経営する企業に対し下院での作業入札で便宜を図り、その見返りに5万レアルを受けとったとして起訴された。バルボーザ長官は「大統領の後継者とさえ見られていた人物の裏切りは罪を重くすべき」との判断を示したが、クーニャ被告は「私に対する報告は嘘ばかりで全くもって不公正だ」と書面で抗議を行なった。
来週は、クーニャ被告を含む現職の連邦議員を罷免するか否かの判断と最終的な刑の調整が行なわれる。議員籍の剥奪については、「有罪となった時点で当然罷免」とする意見と「罷免かどうかは議会が決めること」とする意見があり、判事の間で見方が割れている。