ニッケイ新聞 2012年12月1日付け
アロイジロ・メルカダンテ教育相が11月29日、低所得世帯の子弟向けの特別枠で入学する連邦大学学生に来年から奨学金を支給する事を発表したと、11月30日付伯字紙が報じた。
今年8月にジウマ大統領が裁可した法律によると、大学入試での特別枠は、定員の半分を公立高校のみで学んだ学生向けに確保し、その半分(定員の4分の1)を1人当たりの収入が1・5最低賃金の家庭の子弟に振り分ける事になっている。
この低所得世帯の学生対象に発足するのが今回発表された奨学金で、対象は、特別枠で合格し、医学部や工学部などの全日コース在籍者だ。
半日コースの学生ならアルバイトをしながら勉強する道もあるが、全日コースの学生は、本代その他の必要経費を払うためのお金さえ工面できないとして退学する例などがあるためで、現時点では月々400レアルを支給する予定だという。
教育省が従来行ってきた低所得の学生向けの支援は、大学に補助金を給付し、大学が学生寮の経費や食事の扶助、通学費の扶助などの形で学生支援を行うというものだったが、今回発表された奨学金は、本人に直接支給され、その使途も本人が決める事が出来る。