ニッケイ新聞 2012年12月6日付け
アチバイア文協が新会館建設に向けて動き出した。しかし、地権の半分を譲渡した同市花卉生産協会の青山明政会長は、「初めは皆『5年で出来なかったらどうする』と消極的だった」と明かす。
中には「これで式典は最後かも」と悲観的な高齢会員もいたし、「現会館維持がまず大事」と文協会長も少し腰の引けた口ぶりだった。コロニア団体の多くが衰弱する中にあっては当然の反応だ。
そんな中、青山会長は「出来ない理由ばかり考えるのは大嫌い。皆で力を合わせれば何とかなる」と不安や尻ごみを一笑し、「生きてる間に出来ることをしたい」と日々に全力投球する。
僅かな可能性を信じ、そこに身を投じるのは難しいが、それは困難な状況を突破する機動力だ。諦めや悲観を取り去り可能性にかけること—一人一人のその姿勢に、日系社会の将来はかかっているのかもしれない。(阿)