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ポルト・セグーロ=密談はサンパウロ市事務所で?=新しい事実が次々に判明=公的機関の役員選定厳格化

ニッケイ新聞 2012年12月7日付け

 【既報関連】11月23日に一斉捜査が始まった連警の〃ポルト・セグーロ作戦〃は、新しい事実の解明が進み、12月以降の新聞やサイトに〃ポルト・セグーロ〃の言葉が出てこない日がないのが現状だ。
 ルーラ前大統領が大統領府サンパウロ市出張所を開設したのは03年で、ロゼマリー・ノヴォア・デ・ノローニャ氏の所長就任は2005年。6日付エスタード紙は、同出張所はパウロ・ヴィエイラ国家水資源庁(ANA)元理事が不正行為に使うための意見書に関する密談の場になっていたと報道。2、3日付同紙には、ロゼマリー氏が使っていた車の支払いや同氏の兄弟の車に関する借金の肩代わりもパウロ氏が行っていたとあり、その癒着振りは徹底している。
 パウロ氏は、サントス港を運営するサンパウロ州ドック会社(Codesp)の会計審議会議長だった2005年、同港の業務の一部を担当しているリブラ・テルミナル社の負債の85%(1億2千万レアル相当)を免除しようとしたが、他の理事らの反対で頓挫。運輸相の指名で経営審議会に移籍した2011年に再び負債免除を試みた書類は、連邦総弁護庁(AGU)の審査待ちだという。
 パウロ氏は、テコンジ、イーペルコン・テルミナイス・デ・カルガ、カルジリ・アグリコラ、エスタレイロ・マウアといった企業のためにも、AGUや連邦会計監査院(TCU)などの職員に金を渡し、各社に有利な内容の意見書を入手。一連の不正を指して〃意見書マフィア〃の言葉が使われるのはその故だ。
 パウロ氏はロゼマリー氏の仲介で、兄弟のルーベンス氏を民間航空監督庁(Anac)理事に据える事にも成功。不正な意見書入手のための支払いや企業からの見返りの受け渡しには、兄弟のマルセロ氏が経営する店が使われていたという。
 ヴィエイラ兄弟とロゼマリー氏のメールには、金銭に絡む話の他、ロゼマリー氏の元夫を公的機関の役職につけるための大学の卒業証明偽造や、ロゼマリー氏のいとこや娘の就職斡旋を依頼したものも含まれている。大学の卒業証明偽造には、ヴィエイラ一族が経営する大学も関与しており、パウロ氏らは教育省も顔パスだったという。
 ジョゼ・カルドーゾ法務相は4日、同事件は一部公務員が私利私欲のために仕組んだもので、政府閣僚の関与はないと弁明。ルイス・イナシオ・アダムスAGU長官の解任はない事も明らかにしたが、同長官は6日の国会で辞任要求も突きつけられた。
 ANAやAnacなど管理機能を持つ公的機関の役員は現在、47人中11人が空席で、ジウマ大統領は、後任の選定基準をより厳格にする事なども要請している。