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戦後移住60周年、実行委が発足=川合昭氏が実行委員長に=「大統領、首相も呼びたい」=来年7月、日本祭り会場で

ニッケイ新聞 2012年12月7日付け

 先月の県連代表者会議で、来年7月の「第16回日本祭り」の会場で戦後移住60周年を祝う催しを行うことが決まり、有志10人が5日、宮城県人会館で初会合を開き『ブラジル日本 戦後移住60周年記念祭実行委員会』を発足させた。式典には500人以上の出席者を見込む。実行委員長に就任した秋田県人会会長の川合昭氏は「50周年もやり遂げ、自信になった。一世は4、5年先にはほぼいなくなる。これで最後。大統領や総理大臣も呼びたい」と意気込んでいる。

 主催団体は名目上、場所を提供する県連だが、実行団体は同委員会となる。協賛団体として文協、援協、会議所等のほか、戦後移住者が多いブラジル農大会、老ク連、コチア青年連絡協議会、力行会などにも参加を呼びかけていく。
 「戦後移民ではなくても趣旨に賛同してくれる人であれば協力してもらいたい。必ずよい方向に行くと思う」と川合氏はのべ、開催まで実質7カ月前に迫った状況の中、前向きな展望を示した。
 今年の日本祭りのサブテーマ(副題)は「移り来て、日本移民105年と戦後60年」。式典だけでなく、60年の歴史、活躍した一世の紹介するパネル展示案も出た。会の進行役を務めた中沢宏一氏(宮城県人会長)は「日本祭りの価値を上げ、相乗効果が生まれると思う」との考えを示した。
 川合氏によれば、既に羽藤ジョージサンパウロ州議や某企業から全面協力を取り付けたといい、全国の知事、県会議長、政治家などに招待状を出し、日本から多くの来賓を呼びたい考えだという。
 具体的に何をするかはこれから検討される。発起人の中沢氏が呼びかけた当初は乗り気ではなかったというブラジル・ニッポン移住者協会の小山昭朗会長も遅ればせながら会場に現れ、積極的な協力の姿勢を見せた。
 「自分たち移住者向け、伯社会向けの2つの方向性があると思う。さすが戦後移住者だと言われるような企画をしたい。写真展や歴史の紹介もいいが、我々がやっているような植樹でもいいと思う」と意欲的に話し、県連ができない場合は会計業務を移住者協会が行うとも申し出た。
 なお、今後は戦後移住者の県人会会長らにも参加を呼びかけ、企画を県連に持ち込み、実現可能性が検討される。
 会には、発起人の中沢、川合、南雲良治(新潟)の3氏のほか篠原俊巳(山形)、川添博(長崎)、内山住勝(群馬)の各氏、移住者協会から小山会長、杓田美代子副会長、大矢進貞事務局長、県連事務員の伊東信比古さんらが出席した。