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「進出に長期的視野必要」=竹中元総務大臣が交流会で

ニッケイ新聞 2012年12月20日付け

 大学での基調講演などのため来伯した元総務大臣で慶応義塾大学教授の竹中平蔵氏ら訪問団が14日夜、サンパウロ市の文協ビル貴賓室でブラジル日本研究者協会(SBPN)とJICA帰国研修員同窓会(ABJICA)の共催で開かれた歓迎夕食会兼忘年会に出席し、約80人の関係者らと交流を行うとともに、ブラジルへの思いを語った。
 竹中氏が代表を務めるSBPN東京支部のメンバーらを中心に9人が訪れた。竹中氏のブラジル訪問は今回で6度目。初来伯は、小泉内閣の総務大臣を務めていた2006年、当時ブラジルが導入を検討していたデジタルテレビ放送方式の決定に関する担当大臣との会談のためだった。
 司会に促されて立った挨拶の中でも当時のエピソードを語り、「(日本方式の)採用が決まり、調印のためブラジリアを訪れた際、ルーラ大統領から『ようこそブラジルへ。私は日本を、日系人を心から尊敬している』との言葉をいただいた」と感慨深げに話した。
 日系人の農業分野に関する貢献がブラジルにおいて非常に高く評価されていることに深い感銘を受けたことが、ブラジルをさらに知りたいと思ったきっかけだという。
 本紙の取材に対し、「ブラジル経済には大きな発展の余地がある。個人的には日伯の企業の連携による、ベース・オブ・ピラミッド(低所得者層)市場の開拓に期待したい」と話し、近年増加傾向の進出企業についても「思い切った現地化がもっと必要。腰を据え、長期的な見通しを持って取り組んだ企業が生き残っていくのでは」と語った。