「世界肝炎デー」の28日、ブラジルでも、肝炎への注意を喚起する報道やC型肝炎感染の有無を確認するキャンペーンなどが展開されたと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
世界肝炎同盟によると全世界では約5億人がB型肝炎かC型肝炎を患っており、年間約140万人が死亡している。B型肝炎とC型肝炎は肝硬変や肝臓がん、肝不全の主要原因の一つだが、感染している事を知らない患者も多いという。
ブラジル肝炎感染者協会(ABPH)のエドゥアルド・タデウ・リマ・デ・シウヴァ氏によると、「C型肝炎はエイズほど目立たないが、命の危険にさらされるという意味では同等の怖さを持ち、患者数もエイズより多い」という。
05~12年のリオ州では、B型肝炎患者が5261人、C型肝炎患者が6162人見つかり、年間約700人の新しい患者が発生。C型肝炎患者は5種の肝炎中最も多く、サンパウロ市やベロ・オリゾンテ、ポルト・アレグレなどでは感染の有無を確認する集団検診実施キャンペーンを展開した。
C型肝炎は患者の血液に触れたり、輸血や血液製剤の投与を受けたりして感染する事が多く、マニキュア師や刺青師が使う道具や注射針などが媒介する可能性もある。C型肝炎は性交による感染は稀で、性交を原因とする感染例が多いB型肝炎とは性質が異なる。
A型肝炎は経口感染が多く、上下水道の整備が急務だ。予防法はトイレを使った後は石鹸で手を洗う、上水道がひかれていない所では水を煮沸して飲む、食料品の保管や調理法に留意するなど。予防接種もあるが、医師が指示した場合以外は特に必要はない。
B型肝炎も予防接種があり、現在は14歳までの子供が対象だ。母子感染などで子供の頃感染すると慢性化するが、大人になってからの感染で慢性化する事は稀だ。
C型肝炎は予防接種がなく、注射器や注射針を使い捨てとなる以前は歯の治療中に感染した例もある。自覚症状が乏しい事が多く、45歳以上は一度、感染の有無を確認した方が良い。血液検査で肝障害や黄疸を認める急性肝炎症状を呈した場合は自己免疫反応でウイルスが排除される事が多いが、7~8割は持続感染に移行し、慢性化しやすいが、劇症例はB型やA型より少ない。
D型肝炎はB型肝炎ウイルスの存在が前提で起き、発症例は少ない。アジアやアフリカでは一般的なE型肝炎もブラジルでは稀だが、世界では第3期の妊婦の死因の20%を占めているという。
タグ:写真ニュース