W杯の間はシュラスコをやる人が増えるから牛肉の消費も増えると踏んでいたスーパーマーケットや食肉業界が、捕らぬ狸の皮算用で終わったようだ。
W杯期間中の正式な統計はまだ発表されていないが、フォーリャ紙が独自に行った集計によると、このところの価格高騰などで、W杯期間中の1週当たりの牛肉の消費は20~30%減ったと見られている。W杯期間中、シュラスコ用の肉の売上げは確かに伸びており、スーパーや食肉業界の予想は一部で当たったが、それ以外の肉の販売が減り、シュラスコ用の肉の販売増分を食ってしまったという。
W杯期間中の販売縮小は、試合日が休みとなったりした事で営業日数や営業時間が減ったレストランや工場の食堂向けの肉の販売が減った事も影響。スーパーでは、従来型の米とフェイジョン、肉という食生活がフェスタに取って代わられた事も響いたと見ている。
食料品の配送業界によると、W杯期間中は米やフェイジョンも約30%販売量が減り、肉の動きと同調。場合によっては肉以上に販売量が減った物もあるという。
肉の消費(需要)の減少は、ここ12カ月で20・6%という牛肉価格高騰(ジェツリオ・ヴァルガス財団の総合市場物価指数、IGP‐Mによる)の影響が大きく、販売減少で在庫が増えた店は、安売りして在庫を捌く必要にもかられた。
在庫処分の動きは小売価格の低下となって表れて、サンパウロ市では7月11~17日の牛肉価格が0・55%低下。消費者保護センターによれば、同期間中のセスタ・バジカ(基礎食料品セット)の価格は1・18%下がったという。17~24日の牛肉価格は更に0・42%下がった。
同様の傾向は経済調査院(Fipe)の消費者物価指数(IPC)にも表れており、6月中の牛肉価格は2・51%、7月も1・11%低下。IGP‐Mも7月の第2回目の見通しを0・09%下げたが、食肉業界を専門とするコンサルタント達は、7月の牛肉価格は6月比で1~2%低下すると見ている。
消費のかげりと小売り販売価格の低下は生きた肉牛の購入価格にも影響を与え、ここ12カ月間で17%値上りしていたアローバ(約25キロ)当たりの価格も119レアルにと1%低下した。
(27日付フォーリャ紙より)