元サンパウロ市市長のパウロ・マルフ氏の政党として知られる進歩党(PP)に所属するサンパウロ都市圏住宅公社(Cohab)の職員9人が、勤務時間中に職務を離れて党の仕事をするなどして、市から解任や職務停止などの処分を受ける事態が起きている。27、29日付フォーリャ紙が報じている。
PP関連のCohab職員に対する処分は、特別補佐官だったフェルナンド・マルチンス・ピゾ氏が25日に解任されたことからはじまった。ピゾ氏はPPの会計でマルフ氏の金庫番をつとめているが、フォーリャ紙は17日と22日に、勤務時間を抜け出してPPの党の仕事を行なう同氏の姿を目撃している。
また、28日、サンパウロ市は2人の職員を解任、4人の職員には職務停止、2人の職員には厳重注意の処分を行なった。
職務停止となった特別補佐のカルロス・エドゥアルド・リベイロ氏をはじめとする4人は、ピゾ氏同様、Cohabの勤務を抜け出してPPの仕事を行なっている姿がフォーリャ紙記者によって目撃されている。
Cohabのジョアン・アブカルテル・ネット総裁によると、この4人は30日間のあいだ無給での職務停止となり、その間に詳細な調査を行いたいとしている。
また、今回の件では、公職では禁止となっている縁故採用の問題も浮き彫りとなった。職務停止のカルロス・エドゥアルド・リベイロ氏は、マルフ氏の右腕的存在として知られるCohab事務局長のジェッセ・リベイロ氏の息子だ。今回解雇された商業部長のルイス・カルロス・エミージオ氏はリベイロ氏の義理の兄弟、理事会付きの特別補佐のマルクス・デ・オリヴェイラ・マルチンス氏が娘婿だ。
これまで数々の汚職で知られ、国際警察にも指名手配されているマルフ氏だがサンパウロ市には依然影響力があり、Cohabには同氏またはPPが推薦した人物が少なくとも130人いるという。