日本舞踊の6代流派の一つ、藤間流をブラジルに普及させた藤間芳之丞さん(本名=中村都)が4日未明、イピランガ区の病院で逝去した。5日午前10時から、モルンビー区のゲセマニ墓地で葬儀が執り行われる。享年80。
1934年1月に大阪府西淀川区で誕生。3歳で人間国宝藤間藤子に弟子入りし、9年の修行の後に12歳で名取となる。
23歳の頃に行った世界一周舞踊公演の旅で当地に滞在中、伊勢湾台風で被害を受けた日本に義捐金を贈るための慈善公演会を行い、すがりついて泣く来場者に強烈な印象を受け、ブラジルでの普及を決意。中南米普及を目指し、家元の後援を受けて60年に渡伯した。
61年にサンパウロ市に藤間流日本舞踊学校を設立、同年、文化・芸術功労者としてアナ・ネリ賞を受賞した。「古典が舞踊の基本」との考えで多くの門弟を育て、パラグアイ、チリ、アルゼンチンにも教室を開講した。毎年1月に開催する踊り初め会は今も続いている。渡伯後も、日本での活動を継続的に行っていた。