連邦政府は7日、電力供給会社支援のための第2弾となる銀行の融資額の内訳を発表した。総額で66億レアルとなる融資は68%が社会経済開発銀行(BNDES)などの公共銀行からのものとなる。また、14年から向こう数年にかけての段階的な電気代の値上げも予想されている。8日付伯字紙が報じている。
今回の融資は4月に行なわれたものにつぐ第2弾の銀行融資となる。1回目のときには総額で112億レアルを融資し、うち45%にあたる50億レアルが公共銀行による融資だった。
そして今回、さらに66億レアルの追加融資が発表された。公共銀行による融資は45億レアルになる見込みで、全体に占める割合は68%まで上った。その内訳はBNDESが30億レアルで、あとの15億レアルは連邦貯蓄銀行(Caixa)とブラジル銀行(BB)がそれぞれ等分するかと見られている。残りの21億レアルは、イタウ、サンタンデル、BTGパクトゥアル、シティバンクの4銀行が融資する予定だが、8月15日までは他の6銀行も参加を申し出る可能性があるという。
今回の融資の金利は銀行間預金証(CDI)に対する金利に年率2・35%を加えた利率で調整される。返済猶予は15年10月までで、15年11月から17年11月までの間に返済しなければならない。4月に行なわれた融資の金利は、CDI分プラス1・9%の年利で調整される。
ブラジルの電力消費地域の多くは少雨による水不足で、水道用の貯水池や水力発電所のダムの水位が低下し、電力供給の主力である水力発電量が減っている。現在は、不足分を補うために火力発電所がフル稼動している状態だが、火力発電の場合は電力供給会社が電力を買い取る際のコストが高くつき、発電会社に払えない額が膨らみ続けたため、供給会社が連邦政府に協力を求めた。
1月の支払分は連邦政府が国庫から21億レアル、電力会社も6億レアルを支出することで切り抜けたが、それだけでは足りないため、連邦政府の仲介で実現したのが4月の銀行融資第1弾で、年内はこれで足りると見られていた。だが、供給会社は4月の支払だけで4億5千万レアルを必要とし、現在も13億2千万レアルが未払いなど、さらに融資が必要な状況であるため、今回の融資が決まった。
財務省のパウロ・カファレリ局長は「供給会社への融資はこれが最後で、15年以降の融資の予定はない」という。
また、銀行からの巨額の融資利用により、電気代の値上げも予想されている。連邦政府は、融資に伴う値上りは、15年2・6%、16年5・5%、17年1・4%程度だと見ている。
連邦政府は電力不足による電力カットは「実施する予定はない」と繰り返し、その可能性を否定し続けているが、イボッピが6月に行なった世論調査では、国民の75%が「14年中に電力カットが行なわれる」と予想している。
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