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リオに平和な年末=犯罪組織鎮圧後の静けさ=黄金の10年に期待集まる

ニッケイ新聞 2011年1月4日付け

 年末は家族で過ごす和やかなクリスマスに続き、年越しに花火や音楽ショーなどのイベントで賑わう各地の様子が報じられた。昨年末、陸海軍まで動員して国内最大規模の犯罪組織コマンド・ベルメーリョ(CV)の一掃が図られたリオにも平和な年末年始が訪れたようだ。2日付伯字紙がその様子を伝えている。
 ファヴェーラに囲まれるリオ市内北部ペーニャ区にあるノッサ・セニョーラ・ダ・ペーニャ教会では、犯罪組織制圧後初めてのクリスマスのミサに何百人もの参加者が集まった。リオ州保安局のジョゼ・マリアノ・バウトラメ局長も最前列に迎える中、ドン・オラニ・テンペスタ大司教が住民のミサへの復帰を平和の象徴と喜んだ。
 CVの中心拠点だったコンプレクソ・ド・アレモン区も静けさを取り戻し、800人以上の兵が駐留し現在も厳重な警備体制が敷かれる同区のアデウス丘では、ブラジル銀行が後援して花火や音楽ショーで年越しイベントを開催。サンバチーム、インペラトリス・レオポウジネンセも出演、600人の住民らが舞台前に集まった。
 CVによって19歳と23歳だった息子2人を殺されたと、ルルデス・ヴァタリーノ・サンターナさん(63)は家の壁に落書きされた「CV」のマークを悲しそうに見つめる。家の目の前で繰り広げられた賑やかなイベントに、少しは安堵を取り戻したようだ。
 コパカバーナ海岸の年越しイベントには、約200万人が集結。今回のイベントは、同市で開催される2014年のサッカーW杯、2016年のリオ・オリンピックを記念して〃黄金の10年〃というテーマで実施され、大晦日夜にリオ・オリンピックのロゴマークの正式発表も行われた。
 一方、サンパウロ市内パウリスタ大通りで行われた年越しイベントは、約250万人が来場。軍警によれば、昨年末には同性愛者を狙った偏見による暴力事件が相次いでいた同大通りでも、ケンカや暴力沙汰は報告されず、和やかに新年が祝われたという。