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予算の見直し迫られる国や州=経費削減必至のスタッフ=連邦政府は250億R$目標に=サンパウロ州では一部予算を凍結

ニッケイ新聞 2011年1月5日付け

 新大統領や新閣僚が就任した連邦政府や新知事就任後の州政府の最初の仕事の一つは、予算の見直しと3、4日付伯字紙が報じた。大統領裁可待ちの連邦予算始め、各州政府が経費削減を打ち出しているようだ。

 連邦政府の緊縮財政導入は、ジウマ政権の経済関係閣僚発表直後からいわれていた事だが、経費削減は州政府レベルでも共通の課題のようだ。
 連邦政府の場合、ルーラ政権終了間際の12月22日に国会が承認した2011年度予算は、経済関係スタッフが最高250億レアルの経費削減を目指して洗い直すと3日付エスタード紙。
 削りようがない人件費や年金、負債返済や、保健衛生、教育その他の主要分野以外は見直しの対象で、大統領がいくつかの項目の裁可を拒否する可能性がある上、2月に再開される国会では、前政権が540レアルと定めた最低賃金の見直しも迫られそうだ。
 また、サンパウロ州のジェラウド・アウキミン新知事がセーラ政権下での各種契約を見直すとの報道は4日付伯字紙。様々な業務の外注拡大傾向は連邦政府のみではなく、サンパウロ州政府業務の外注契約額は41億レアルに上る。
 経費削減のため、セーラ政権も検討していた建物や車両の賃貸契約の見直しもアウキミン知事の上げた項目の一つで、局長クラスとの会合を行った3日には、外注分を含む15億レアルの予算凍結も発表。教育、保健衛生、治安、社会福祉の4部門を除く各部局には、15日以内の予算削減案提出も義務付けられた。
 予算の見直しや経費削減は連邦政府やサンパウロ州だけのことではなく、パラナ州では6カ月かけて各部局予算の15%削減を目指す他、予算の支払いも90日間停止。今年度は4億8千万レアルの経費削減を行う予定だ。
 前政府が財政危機に陥ったリオ・グランデ・ド・ノルテ州も、今週中に最低30%の経費削減策をたてる予定。パライバ州では、27・92%調整される筈だった正副知事や議員給を凍結するなどの思い切った処置を採る他、委託業務経費の40%削減を提唱。
 ピアウイ州でも委託職員の7割削減、アマパ州でも機構改革で年間850万レアルの経費削減を目指すなど、各州各様の予算の見直しを実施すると発表している。
 そういう意味で、アエシオ政権で機構改革などを行ったミナス州での14年W杯向け特別局など6部局創設や、138の委託業務削除の一方、約500の委託業務につく職員の給与調整を考えている南大河州は例外的な存在といえそうだ。