ニッケイ新聞 2011年1月14日付け
昨年598人の死亡者を出したデング熱は、今年の夏も流行する危険性が高い。11日には、保健省のアレシャンドレ・パジーリャ大臣がジウマ大統領や12省の代表者を招いて会合を開催。全伯16州が高度危険、5州が危険地域になっているとの説明後、デング熱対策が話し合われた。12日付伯字紙が報じた。
昨年1月から10月までの統計で、デング感染が疑われる人は93万6260人、死亡者は598人。昨年の数字は09年の感染者32万3876人、死亡者数298人と比べ大幅に増えている上、先述の高度危険、危険地域数が昨年10月の10州と9州より増えており、今年も流行の拡大が懸念されている。
流行の危険がある地域はロンドニア、サンパウロ、パラナ、サンタカタリーナ、リオ・グランデ・ド・スル州を除く21州で、ほぼ全域。特に、北部、北東部に高度危険地域が集中している。リオ・ブランコやポルト・ヴェーリョなどの州都も含めた24市に高度危険、そのほか14州都を含む154市に危険警告が出された。
危険地域外ではあるが、サンパウロ州グアルジャーでは昨年、9511人の感染、27人の死亡が報告されるなど、沿岸地域で感染が広がっている。
また、ロライマ州では昨年、28年間報告されていなかった4型デング熱の感染が12人で確認された。4型は、すでに1、2、3型のいずれかに感染した人により深刻な症状を引き起こす可能性がある。ロライマ州保健局は「現在、4型の流行を防ぐ手段はない。保健省からは、少しでも流行を遅らせる対策を取るよう指示されている」と回答。アマゾナス州でも先週、4型感染者が1人報告された。
会合では、流行や感染拡大の可能性が高い70市に対して、死亡者は毎日、感染者は毎週の報告を義務付けることを決定した。保健省のデング熱根絶プロジェクトには、昨年度予算とほぼ同額の10億8千万レアルの投入が予定される。
パジーリャ保健相は、来週にも危険地域とされた州の知事を集めて会合を開く予定だが、ペルナンブーコ、ミナス、リオ、リオ・グランデ・ド・ノルチ、トカンチンスの各州は、現時点までに具体的な対応策を示していない。