ニッケイ新聞 2011年1月18日付け
連邦予算管理局(CGU)による過去4年間の監査で、国立保健財団(Funasa)が約5億レアルもの横領の犠牲となっていたと17日付フォーリャ紙が報じた。
同財団は2005年以来、PMDB(民主運動党)の支配下に置かれ、ジウマ政権でもPT(労働者党)との勢力争いの標的の一つとなった。
フォーリャ紙の調査によると、CGUは2007〜2010年の不正支出分として、4億8千8百50万レアルの返還を要求。今後、連邦会計調査院(TCU)が項目毎に洗い直すことで、被害総額はさらに増える可能性がある。
CGUの調査は保健省で始まったもので、過去4年間に特別会計として支出された948項目について監査した結果だ。横領は、不当な提携業務や、特定業者との間で繰り返される契約、州や市への予算給付の際、法律で義務付けられた方法を採らないなどの形で行われていたという。
2009年には、PMDBから初めて推薦されたパウロ・ルストザ元総裁が、FunasaTVとの契約を1430万レアルもの高値で結んだと告発され、連邦政府から5年間追放された。
同年、連邦警察は、トカンチンスでの賄賂の支払い、Funasaからセアラ州内の複数の市への横流しなどで約620万レアルもの横領も発見している。
これらのスキャンダルにもかかわらず、PMDBはFunasaの支配権を持ち続け、2008年には、同財団の〃汚職〃や〃低品質〃を指摘したジョゼ・ゴメス・テンポロン保健相があやうく失脚するところだった。
彼は、ダニーロ・フォルテ総裁を弾劾しようとしたが、PMDBのリーダー、エンヒケ・エドゥアルド・アウヴェスの反対で断念。2010年4月の総裁交代時も、アウヴェスの息のかかるファウスチノ・リンスが総裁の座に就いていた。