ニッケイ新聞 2011年1月18日付け
『同素体』2月号に愉快な句が出ていた。「凡とBOM 生活に溶けて 春深し」(三峰)だが、選者の畦柳道子さんの評も「凡だけど、BOMとしておくか。日本式とブラジル式も自然に溶けあって、融通のきく私たちのブラジルでの生活です。まさにブラジル俳句!」と奮っている。まさに明るさと深みを兼ね備えた句か。FEANBRA会報(ブラジリア俳句会)には「除草の手 はるかに進む 初夏の風」(前添晶子)という清々しい一句も。畑の除草に励む後ろから爽やかな一陣の風が吹き抜ける。空を見上げようとかざした除草の手のはるか先まであっという間に初夏の風が吹きぬけた情景が目に浮かぶ。みなさんも季節の一句どうですか。
◎
28日の日系農協セミナーで講演するジャーリストの池上彰氏は、その分かりやすいニュース解説に定評があり、日本のテレビ等での活躍が続く。NHK『こどもニュース』で「お父さん役」を長く務めていたので、ブラジルでもご存知の方も多いだろう。100万部を超える著書も持つ同氏の講演を聞く、貴重な機会となりそうだ。
◎
昨年の奄美大島の豪雨災害では、ブラジルから義捐金が送られたことが記憶に新しい。山陽新聞によれば、今回のリオ州の被害では、岡山県総社市から、市役所のブラジル人相談窓口で勤務するブラジル出身者、譚俊偉さんが、国際医療ボランティアAMDA(岡山市)に通訳として同行派遣され、1月末まで支援活動を行うという。2つの豪雨災害に、日伯の絆が光る。