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ヴィラコッポス拡張へ=年間旅客動員数9百万人に=サンパウロ州環境審議会が許可下す

ニッケイ新聞 2011年1月29日付け

 空港インフラ業務公社(インフラエロ)は28日、サンパウロ州カンピーナス市のヴィラコッポス空港拡張プロジェクト実施のための入札公示と同日付エスタード紙が報じた。
 拡張プロジェクトには、新滑走路と第2ターミナルの建設のほか、飛行機が方向転換などをするための中庭、4階建ての駐車場、コンベンションセンター(複合施設)もあるホテルなどの建設も入っている。新ターミナル建設により、現在年間500万人の旅客動員数は900万人まで引き上げられる予定だ。
 インフラエロ側は、2014年W杯の7カ月前となる2013年11月までに少なくとも25%の工事が完了できると見ている。
 ヴィラコッポス空港の拡張は1997年から検討されていたものの、環境破壊や土地の接収などの問題が解決せず、公示認可に至らなかった。
 今回の入札公示はサンパウロ州環境審議会から環境ライセンスが下りたことをうけたもの。環境ライセンス取得は、ジェラウド・アウキミン知事(民主社会党)就任後初となる27日の会議で満場一致で承認された。
 ヴィラコッポス空港の拡張は、航空需要の増大を吸収する為に戦略的に考えられ、W杯の開会式を行いたいサンパウロにとっても必要不可欠。総工費は8億2300万レアルと推定されている。
 2007年に提出されたプロジェクトは1万6千家族の立ち退きが必要だったため、住民の反発が大きく、内容の見直しも行われた。新たなプロジェクトでは、立ち退きは18・8平方キロメートルに住む593家族となっている。
 今回のプロジェクトでは、環境保護区8・71ヘクタールの開発と2つの泉の埋め立て、82ヘクタールの原生林伐採が必要となるため、環境審議会はインフラエロに、拡張工事に伴う環境破壊を補うため、伐採面積の4倍のエリアへの植林を義務付けた。
 ヴィラコッポス空港は現在、国内12番目の規模で、フランクフルトやパリ、リスボン行きの定期便も運行。サンパウロ市中心部から1時間かかるにもかかわらず、アズウ航空の本拠地ともなっており、サンパウロ市のコンゴーニャス空港やグアルーリョスのクンビッカ空港が悪天候で利用できない時の代替空港ともなっている。
 ヴィラコッポス空港の拡張プロジェクトは2015年までに完成予定。拡張区域内には、4月に入札が予定されているリオ〜サンパウロ市〜カンピーナス間の高速鉄道の駅建設用地も確保される予定だ。