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スーパーで人種差別=10歳の黒人少年にトラウマ

ニッケイ新聞 2011年1月29日付け

 「汚くて臭い黒んぼめ」、スーパーマーケットの警備員の言葉で少年の心にはトラウマが残った—。10歳の黒人少年Tはビスケットや炭酸飲料を買っただけなのに、商品を盗んだと思われ、別室に連行された上、5回もTシャツを脱ぐよう強制されたという。13日、サンパウロ市東部ペーニャ区のスーパー・エストラで人種差別を疑わせる事件が起きた。28日付エスタード紙が報じた。
 証言によれば、3人の警備員は、Tシャツを脱ぎ、短パンを足元まで下ろすよう強制。1人は腹部にナイフを突きつけて脅迫したといい、少年は「僕が何も盗んでないと言うのを信じてくれなかった。殴るぞ、といってダンボールで机の上を叩いた。鞭も持って来ると脅した」と恐怖を語っている。
 市警によれば、ビスケット、炭酸飲料、サウガードなどの買い物のレシートが残っており、少年が盗みを働いた事実はない。同スーパーを経営するポン・デ・アスーカル・グループは少年の無実は認めたが、店の警備員が人種差別、暴力行為に及んだ事実を否定している。
 T少年は、同じ日に別の黒人少年2人が警備員から暴行されるのも見たと証言しており、州人権保護局が事件を担当する警部と話し合いを持ったほか、ブラジル弁護士会(OAB)サンパウロ市人種平等委員会では同ケースへの特別策を決定した。

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