ニッケイ新聞 2011年1月29日付け
ブラジル日本都道府県人会連合会(県連、与儀昭雄会長)は27日午後4時から文協ビル14号会議室で臨時総会を開き、同会の新事務所として同ビル5階の旧援協本部を購入する件を賛成多数で承認した。46会員県人会のうち40県人会の代表が出席し、賛成30、反対10。昨年からの懸案だった事務所購入が決まり、県連は新たな一歩を踏み出した。同会では今後、委員会で設備、業者等の詳細を検討し、代表者会議を経て早ければ3月にも改修工事を開始したい考えだ。
執行部案によれば、新事務所は66人収容の会議室、VIPルームや事務局、県人会のためのスペースなどを設置する計画。購入に47万レ、改修費に20万レ、雑費等込みで計約70万レの予算を計上している。
午後4時の第一次召集時点で過半数の29県人会代表が出席し、総会が開会。与儀会長は同総会を県連の歴史上重要なものと述べ、県人会の負担なく自己資金で購入可能なことを喜んだ。
県連の日系コミュニティー内、対日本の関係で果たす役割から考えて、現在の事務所が手狭なことなどを挙げて購入の意義を強調、「県連のためだけでなく、県人会を助けるベースに」と話した。さらに事務所購入を将来の県連センター購入を見据えた第一ステップと位置づけ、出席者の判断をあおいだ。
総会は顧問の松尾治元会長が議長を務め、最初に各2人の代表が賛成、反対の意見を述べた。反対意見の中には、県人会にどんな設備が必要か購入以前にもっと検討すべきとするもの、売却する場合の懸念をあらわしたものがあり、購入でなく賃貸を薦めるものもあった。賛成意見では、財政に余裕がある今購入すべきとする声や、将来の県連センターの第一歩と位置づけて購入すべきとする声などがあった。
投票にあたっては、松尾議長が記名投票を提案したが、出席者から無記名投票を求める意見が上がり、多数決の結果、賛成多数で記名投票に決定。開票の結果、賛成30、反対10票で購入が決まった。
承認を受け与儀会長は、「これから皆で一緒に頑張ろう」と出席者に呼びかけ。また、現在の執行部案どおりに進めるのでなく、委員会を設置して詳細を検討する考えを示した。
委員長は、執行部で同件を担当した吉村幸之佐賀県人会長。執行部が委員の推薦を求めたが、その場ではおらず、後日4人程度の委員が指名される見通しだ。執行部から各県人会代表に対し、改修・設備にあたっての協力、意見を呼びかけた。
今後は援協側との購入契約手続きに入る。与儀会長は取材に対し、委員会で作られた案を2月の代表者会議に諮り、決定次第工事開始に向かう考えを示した。期間は2、3カ月程度を見込んでおり、会長は「5月ごろには完成できれば」と話し、「立派な事務所にしたい」と力を込めた。