ブラジル日本アマチュア歌謡連盟(NAK、北川好美会長)が9日午後、サンパウロ市の客家会館で来年の日伯外交樹立120周年を記念して、『花の歌謡祭』を行なった。北川朗久名誉会長の77歳祝いも兼ねて開催され、関係者がつめかけ満員となった。門下生が自慢のノドを響かせ、北川朗久名誉会長の喜寿を祝した。朗久さんもマイクを持ち、生涯現役を宣言するとともに、開催協力への感謝も示した。
開会式には安部順二連邦下議、羽藤ジョージサンパウロ州議、福祉団体関係者も駆けつけ、歌謡祭の実行を祝った。謝辞に立った朗久さんは来場者への感謝を示すとともに、長崎の原爆の日をふまえ被爆者への黙祷もささげた。
門下生による華やかなステージに、来場者から喜びの声が聞かれた。市内在住の吉野テツオさん(80、二世)は、「子どもの頃、親から聞かされていた時代を思い出す。演歌を聞くと気持ちが明るくなって懐かしい気分に浸れる」。
台湾人の彭鄭美智さん(83)も「母国で食品店を経営しているころ、日本の歌謡曲もよく流れていた。そのころを思い出すとしみじみする」と笑顔で話した。
また開会式のコーラスに参加した中村フチさんは、サンジョゼ・ドス・カンポスから団員12人で訪れた。「気持ちよく歌えた。まだ初めて3カ月で少し緊張したけど、仲間と楽しく歌いきりました」と、晴れ舞台を振り返った。
会の途中には特別プログラム「北川朗久謳う・歌う・唄う」も設けられ、思い入れのあるクラシックなどを歌い上げた。「大満足の出来。感激のあまり声が出なかった場面もあるが、喜んでもらえたのでは」と充実の表情を見せた。
エスペランサ婦人部の事務員だったスエツグ・ミチコさん(70、二世)は当時、カラオケ教室から流れてくる北川さんの歌声や指導を聞いていた。「久しぶりに先生の歌声を聞いた。相変わらず良い声で元気な姿が見られて良かった」と喜んだ。
かつての生徒で現在は指導者として活動する田代悠子さん(69、熊本)は、「先生は生徒に『ローマ字をただ読んだだけではダメ』と指摘する。日本語の意味を汲み取って歌で適切に表現するよう鍛える指導法が印象的」と称え、多くの来場者からもお祝いの言葉が多く聞かれた。
また来年の第2回目は8月15日に開催予定。