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■ひとマチ点描■農園の中に市立学校

ニッケイ新聞 2011年2月4日付け

 「自宅の敷地に毎日140人の元気な子供たちが通ってくる」と嬉しそうに話すのは、リオ州ノヴァ・フリブルゴ文協副会長の松岡利治さん(73、埼玉)だ。松岡さんが経営する農園「フロルランジア・ダ・セーラ」内では、市立のフロルランジア・ダ・セーラ学校が運営されていた。
 土地を無償で提供した翌年の1992年に創立された同校は、600平米の土地に教室2部屋と運動場がある。松岡さんの娘・パトリシアさんが創立当初から校長を務め、現在、生徒数は140人。増える生徒数に対応しようと家の一部まで学校の教室に改造したとか。評判が良く、市内の遠くから通ってくる子供も多いそうだ。
 また、松岡さんの農園はフリブルゴの桜の名所としても有名。何百本もの桜が植わった農園は、見ごろの時期には600人が訪れる。非日系人の来訪も多く、「ここの住民にも花見の習慣がついたよう」と松岡さんは喜ぶ。日本の風情がある農園には、高さ6メートル、幅4.5メートルという立派な鳥居も構えられていた。
 フロルランジア・ダ・セーラというその農園名は、今では正式な区の名前として登録されているそうだ。(裕)

写真=松岡さん(右)、娘パトリシアさん(前列左)家族と援協の八巻和枝さん(後ろ)