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リオ市=連警が軍警ら37人を逮捕=ギロチン作戦でバッサリ=犯罪者との癒着を暴く=情報提供や押収品売却も

ニッケイ新聞 2011年2月15日付け

 1千近いファヴェーラに麻薬密売組織や、警官や消防士達も関与するミリシアと呼ばれる犯罪組織がはびこるリオ市で、連邦警察と州保安局が〃ギロチン作戦〃展開中と12日付伯字紙が報じた。犯罪組織への情報提供や押収した武器売却などに携わっていた警官らを摘発する作戦で、押収された大量の武器などの映像はテレビニュースなどでも流れ、市民の注目を集めている。

 連警とリオ州保安局の連携で11日に始まった〃ギロチン作戦〃は、文字通り、犯罪者組織と協力者を断絶するためのもので、12日夜までに、軍警20人、市警9人を含む37人を逮捕。13日付サイトによると、警官4人を含む8人が逃亡中だという。
 作戦の発端は、09年9月のファヴェーラ・ダ・ロッシーニャでの麻薬密売者逮捕の失敗。軍警特殊部隊関係者ら10人が買収され、摘発作戦に関する情報が事前に漏れていたとの通報があった事が、その後の捜査のきっかけとなった。
 警察の動きが犯罪組織に筒抜けとなっていたために起きた逮捕失敗は10年8月のロッシーニャでの作戦でも再発。11月に制圧されたアレモン地区内のファヴェーラでも、武器や麻薬のありかを知らせる電話を受けた警察が現場に赴き品を押収したのに、警察署には何も届かないといった問題が起きていた。
 事態を重く見た州保安局と連警は、盗聴や聞き込み、防犯カメラ映像の解析などの方法で情報を収集。軍警や市警を含む45人の逮捕令状と二つの警察署など捜索のための捜査令状48件を手に、〃ギロチン作戦〃実施に踏み切った。
 11日に逮捕された人物の中には、10年間リオ市警の要として活躍し、国連の武器密売に関するパネル・ディスカッションの発題者ともなったカルロス・オリヴェイラ警部も含まれている。同警部を特別検察局次長に任じていたリオ市は、11日付で解任した。
 ミリシアの首領の一人であるリカルド・アフォンソ・フェルナンデス軍警予備役の親族で、アレモン地区隣接のペーニャ警察署のクリスチアノ・ガスパー捜査官に情報を流していたとして、マルシア・ベック署長が事情聴取を受けた他、市警の長であるアラン・トゥルノウスキー氏も、連警に呼び出され、5時間に及ぶ供述を行った。
 今回の作戦は、金と引換えにした情報提供や押収品の武器や麻薬売却、スロットマシンを使った賭博場警備などにかかわる人物や場所などが対象とされたが、ジョゼ・マリアノ・ベウトラメ州保安局長は、警官も対象とした捜査や作戦は今後も続くと明言している。

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