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史料館=「戦前移民船展」を開催=懐かしの船に出会える!

ニッケイ新聞 2011年2月16日付け

 ブラジル日本移民史料館(栗原猛運営委員長)では15日から3月31日まで、同館8階奥の斉藤廣志特別展示室で「戦前移民船展」を開催している。1908年の笠戸丸から最後の「ぶえのすあいれす丸」までの計34隻に乗って、19万5千人が海を渡った。その写真が一堂に会するのは初めて。
 特に航海回数が多い「もんてびでお丸」などには懐かしさを覚える人も多いはずだが、第2次大戦で軍に徴用されて撃沈されたという。移民船の製造場所、航海回数、運んだ人数に加えてその後の歴史も説明されており、移民にとっては感慨深い展示となっている。
 栗原運営委員長は「移民船の中にはたった1回の航海で有名になった船もあれば、二十数度に渡って来た船もある。戦前活躍した船がどのような経歴を辿り、ブラジル日本移民に貢献してきたかを改めて検証することは、今こそ必要ではないか」と呼びかける。
 番外編として、戦後移民75人を運んだブラジル海軍の輸送艦3隻も展示されている。
 なお先着順で故・田中洋典元人文研所長の遺稿『戦前移民 航海物語』を無料配布する。09年11月に亡くなるまで『経済報知』で連載されていた原稿で、配布冊数が限られている。
 栗原運営委員長は「実は第2雲海丸(第5回、第6回移民を運んだ)の写真だけが足りない。もしお持ちの方はぜひ知らせて欲しい」とも語った。入場料大人5レアル、65歳以上は無料。