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リオ市警のトップが辞任=ギロチン作戦で確執表出=後任には初の女性警部就任=映画を地で行く場面の数々

ニッケイ新聞 2011年2月17日付け

 連邦警察によってリオ州で展開された〃ギロチン作戦〃の余波で、リオ市警トップのアラン・トゥルノウスキー警部が15日に辞任。後任に、女性では初のケースとしてマルタ・ロッシャ警部が任ぜられたと16日付伯字紙が報じた。

 トゥルノウスキー警部の辞任は、13日夜の組織犯罪抑制部(Draco)閉鎖が発端。同警部によれば、Dracoのクラウディオ・フェラス警部がリオ・ダス・オストラス市の不正入札に関与した疑いがあり、捜査のために閉鎖したというが、これがジョゼ・マリアノ・ベウトラメ保安局長をいらだたせた。
 市警トップによるDraco閉鎖は、11日から始まった〃ギロチン作戦〃で、右腕であったカルロス・オリヴェイラ警部が逮捕された事への報復との見方が一般的。
 同警部自身はこの見方を否定しているが、〃ギロチン作戦〃を展開している連警に犯罪組織の動きや関係していると見られる警官の情報を提供したのがDracoだ。
 トゥルノウスキー警部にしてみれば、片腕をもいだ連警の片棒担ぎといいたいところ。しかし同警部がDraco閉鎖の理由とした不正入札については、証拠として提出された、フェラス警部ともう一人の捜査官の署名入り書類が正規の鑑定手続きなどを経ていないなど、証拠不十分で捜査打ち切りとなる可能性が高い。リオ・ダス・オストラス市も不正入札の事実を否定している。
 従来は市警下部組織のDracoは、〃ギロチン作戦〃開始後は保安局管轄下に移っており、15日朝、ベウトラメ保安局長と話合ったトゥルノウスキー警部からの辞任表明となった。
 後任のロッシャ警部は1983年に書記官として警察任務に就いた後、リオ連邦大学法学部を出て、89年にリオ市初の女性警部となった。警察監査局長も務めた事があるベテランは、警察全体がミリシアや麻薬密売組織との癒着問題で揺れている最中の交代劇にも、忠実に任務を果たしている警官は監査を恐れる必要はないと発言した。
 一方、Dracoから州保安局情報漏えい防止部次長に転任が決まったフェラス警部は、国内興行成績トップをひた走る映画〃トロッパ・デ・エリッテ2〃の元本、〃エリッテ・ダ・トロッパ2〃執筆者の一人。映画を地で行くリオの現場での活躍が期待されている。