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サンパウロ市=地下鉄6号線の路線を延長=セントロと東部も繋ぐ=2号線の状況緩和は可か=万博に向けた北部新駅も

ニッケイ新聞 2011年2月19日付け

 サンパウロ市内を走る地下鉄は1年間で運行速度が7%落ちるなど、改善が求められている中、セントロから西部、北部を繋ぐ6号線(橙)が、東部のジャルジン・アナリア・フランコまで延長される可能性が出てきた。18日付エスタード紙によると、ジェラウド・アウキミン知事に提出される書類には、北部でも、2020年の万博招致を前提とした新駅建設案が盛り込まれる予定だという。

 セントロのサンジョアキンから、西部のポンペイアなどを経、北部のブラジランディアに至る予定の地下鉄6号線が、東部まで延長される可能性が出てきたのは、パウリスタ地区と東部を繋ぐ2号線(緑)が既に飽和状態になり始めている事が主な原因だ。
 2号線は、タマンドゥアテイ駅でサンパウロ市とABC地区を繋ぐ都電(CPTM)トゥルケーザ線と接続し、ABC地区〜サンパウロ市セントロ、パウリスタ地区間の移動が迅速化された上、ヴィラ・プルデンテ駅以降も、さらに東のシダーデ・チラデンテスに繋がる予定の線だ。
 ところが、この2号線は、完全開通前から飽和状態に近く、今後さらに増えると予想される利用客をどうやって吸収するかが大きな課題となってきていた。
 1月26日付エスタード紙によると、サンパウロ市の地下鉄は、この1年間で運行速度が1〜7%落ちているが、7%減速して時速27・5キロで走る2号線は、最も遅い路線となっている。減速の主な原因は、利用客が増え、乗降に手間取ることなどで、次の便が来るまでの間隔も、路線により4〜18%と、段々伸びているのが実態だ。
 6号線がJ・アナリア・フランコまで延長されれば、東西を繋ぐ3号線(赤)と2号線の間を並行して走る事になり、将来は、ヴィラ・プルデンテ駅から3号線のペーニャ駅を経て、CPTMサファイア(サフィラ)線に繋がる予定の地下鉄15号線(白)とも接続する事になる。
 一方、マッケンジー大学があるベラ・ヴィスタなどを通るため、〃大学路線〃との呼び名もある6号線が、北部でも、ブラジランディアからピリツーバ方面に延び、CPTMルビー線と繋がる計画が出てきたのは、9年後の万国博覧会(万博)招致計画の故だ。
 2010年は中国で開催された万博は、15年にはイタリアのミランで開催と決まっており、アジア、欧州に続く2020年は南米でと立候補したのがサンパウロ市。サンパウロ市では、ピリツーバに宿泊施設や会議場などもあるコンベンションセンターを建設する計画で、招致案には仮称ピリツバン駅も含まれている。州政府もサンパウロ市からの要請に前向きな姿勢を見せているようだ。