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南北鉄道、完成はいつ?=10年かけて850キロ設置=完成後も使用開始前に修繕

 ジウマ大統領は12日、完成すれば文字通り北部と南部を結び国土を縦断する「南北鉄道」(全長4576キロ)の一部が建設されている、中西部ゴイアス州アナポリスを訪れた。
 北部トカンチンス州パルマス市からアナポリス市までを繋ぐ855キロは今年5月に完成した。2005年の建設開始から10年近く、最初の建設許可が下りてからは実に27年後のことだった。企画省によれば、この部分の建設には連邦政府の経済活性化計画(PAC)の予算42億8千万レアルが充てられた。
 しかし、5月に完成した路線は、政府がまだ鉄道運行に関する権利委譲のための入札を行っていないため、未だに実際の運行には至っていない。10年の間に長期間工事が中断されたことやメンテナンスの不足で、建設に使われた枕木が老朽化したりして、完成直後にも関わらず既に修繕や交換を行う必要が生じている。完成したのに使わず、半ば放置された状態が続いたせいで、レールそのものやレールを固定する部品、鉄橋のガードレールなどが盗まれる事件まで起きている。
 工事の遅れは、工事業者との契約の問題が大きい。これまで複数の業者が落札したが、工事を完了せずに契約を打ち切り、残された部分の工事を進めるためだけに新たに政府が入札を行うケースが相次いだ。現在は国営のValec社が建設やメンテナンスの責任を担う(08年に落札)。
 ジウマ大統領は訪問先のアナポリスで、同地をはじめ国内で建設中のドライポート(内陸部で貨物の保管・通関手続きを行う施設=民間保税倉庫)の重要性を強調し、「(ドライポートの設置によって積荷のある場所で通関手続きを行えるようになれば)ブラジルは脱官僚化(ビューロクラシーから脱出)する」と説明した。(12日付G1サイト、12日付エスタード紙より)