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サンパウロ市地下鉄=大陥没事故跡地に新駅開業=上半期中に4号線2駅=環境許 可降り最後の調整へ=グアルーリョスまで延長案も

ニッケイ新聞 2011年2月24日付け

 2007年1月に工事現場で大陥没事故が起きて7人が死亡したサンパウロ市地下鉄4号線ピニェイロス駅が、ガラス張りの超近代ビルとして今年上半期に開業の運びとなったと20日付エスタード紙が報じた。4号線では、同駅の1月前にブタンタン駅も開業の予定で、将来的にはルス駅以降の延長案も出ているようだ。

 サンパウロ市の地下鉄4号線(黄)は、パウリスタ駅とファリア・リーマ駅が既に開業しているが、17日にピニェイロス、ブタンタンの2駅開業に必要な環境許可が出、パウリスタ〜ブタンタン間の5・3キロの創業開始が可能となった。
 エスタード紙記者は、この5・3キロのテスト運転に試乗。ファリア・リーマ〜ピニェイロス間は1分5秒で走ったと報告されており、サンパウロ市西部とセントロとの距離がますます縮まる事になりそうだ。
 最初に開業の運びとなるのはブタンタン駅の予定で、ピニェイロス駅の開業はその1カ月後。2週間後には、パウリスタ都電公社(CPTM)9号線(エメラルド)との連結も終了の予定で、この全行程は6月までに実現の見込みだ。
 新しく開業するブタンタン、ピニェイロスの2駅は、トンネルの入り口の色こそ違え、近代的な作りは共通。
 ピニェイロス駅は、天然光も採りいれられる様なガラス張りで鋼鉄の骨組みという構造で、地下36メートルのプラットホームに降りた乗客は16機のエスカレーターを乗り継いで地上に到達。夜は青い光で照らすなどの工夫の数々は、7人の死者を出した大惨事の〃跡地駅〃である事を忘れて欲しいとの願いを込めたものだという。地下鉄〜CPTM間の通路も、タイムマシンの中に入っていくような錯覚を起こしかねないガラス張りのトンネルのようだ。
 一方、1日3万5千人の利用が見込まれているブタンタン駅は、ショッピングセンターと見まごうばかりの鋼鉄張り。駅の隣にはプラットホーム三つがあるバスターミナルが併設される。
 ブタンタン方面の終点であるヴィラ・ソーニャ駅は2014年開業の予定だが、今年12月までの開業が見込まれているルス駅には、当初予定の始発駅の名称を返上する可能性も出ている。
 というのは、リオ〜サンパウロ〜カンピーナス間を繋ぐ高速鉄道(TAV)との接続のため、4号線を市北部のカンポ・デ・マルテまで延長する案が浮上しているからだが、TAVとの接続というなら大サンパウロ市圏グアルーリョス市まで延長してはとの案も出始めており、4月のTAV入札の行方が注目されている。