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リビア反政府デモ続く=影響を受け原油価格高騰=ペトロブラスの株価は上昇

ニッケイ新聞 2011年2月25日付け

 国際エネルギー機関(IEA)の田中伸男事務局長が22日、「北アフリカのリビアで続く反政府デモによる長期の政治的危機と原油価格の高騰は、世界経済を再び不況の中に放り投げることになりかねない」と発言したと23日付エスタード紙が報じた。
 石油の埋蔵量はアフリカ最大といわれ、1日100万バレルを生産する産油国のリビアでは、今回の政変により石油の生産量が半減。その影響は北アフリカや中東にまで広がっている。
 リビアの最高指導者カダフィ大佐の「死ぬまで政権を離れない」との演説は、同国の政変長期化の不安を呼び、原油価格の高騰や証券取引所での大幅な株価続落、ブラジルでのドル価上昇などを引き起こしている。
 ニューヨーク商業取引所の原油先物相場は、中東からの供給不安が強まり、取引の中心となる4月物が24日、2年5カ月ぶりに一時1バレル100ドル(2・81%増)の大台に乗った。ロンドンの北海ブレンド先物も同様で、23日の内に1バレル112ドル(6・02%増)台まで値上がりしている。
 ニューヨーク株式市場のダウ工業平均株価は原油価格の高騰を受け、22日に1・44%、23日も0・88%と、連続して値を下げている。
 世界中の株式市場で平均株価が下がる中、22日には1・22%下げたボベスパ(ブラジル証券取引所)は、ペトロブラスの株価が21〜23日の3日間で6・7%値上がりし、23日の株価指数は0・71%上昇。
 22日、リオ・グランデド・スル州ポルト・アレグレでの会見に応じたペトロブラスのジョゼ・セルジオ・ガブリエリ総裁は、「我々は国際的な原油価格の変動をブラジルの市場には反映させない」と述べ、国際原油価格が高騰する中、ブラジル国内での価格変更の可能性を否定した。
 開発・産業・貿易省のアレッサンドロ・テイシェイラ局長は「ブラジルの対外貿易はまだリビアの政治的危機の影響を受けていない」と話し、特定の市場の動きが貿易収支にも数字となって表れるのには時間がかかると説明した。同局長によれば、政変が広がる国々の中でより気がかりなのは、サウジアラビアなどと並んで取引量が多いエジプトの方だという。