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援協役員会=定年制の導入は見送り=「福祉部を活用して」

ニッケイ新聞 2011年3月1日付け

 サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)の2月定例役員会が2月24日正午、サンパウロ市の同福祉センターで行われた。サントス厚生ホームの遠藤浩経営委員長の妻・たみこさん(行年80歳)が23日に亡くなったため、冒頭、全員で一分間の黙祷を捧げた。
 前回の議事録の朗読後、理事会などの若返りを狙って70歳定年制導入を提案した件についての議論が入っていないことに関して、浜岡政晴理事から「抹殺されたのか」との質問が出された。
 現理事会の平均年齢は71歳であり、定年制を導入すると理事の半分以上が入れ代わることになり、会議も完全にポ語になるなど急激な変化になりかねないなどと懸念する具志堅茂信事務局長の意見に加え、山下忠男常任理事は「以前から若い人に理事をお願いしているが、週に2〜3回も援協に顔を出してボランティアをすることは現役で仕事をしている人には難しい。それに援協の歴史をしっかり分かっている人にやってもらうことが望ましい」との声も出された。
 最終的には大原毅法務委員長が「誰でも会員になれる定款になっている以上、理事会だけ定年制を導入するのは法的に難しい」との所見が述べられ導入は見送られた。
 事務局から、1月の日伯友好病院など各事業所の取り扱い延べ数が15万3774件、職員数が1684人(うち85人自由契約)との現状が報告された。
 選挙規程が説明され、選挙管理委員会(池辺あやこエレナ委員長)11人が承認された。定期総会は3月12日午後1時半(一次召集)から評議員シャッパ(候補者連記名簿)の選挙を中心に行われる。
 地区組織委員会から野村次郎副会長が、プラザッキの医療保険に入るために「あけぼのホーム」が作ったコンベニオ・グループを解散した件を説明した。加入者は全部で914人いたがプラザッキに移行したのは763人、契約をキャンセルしたのは114人、49人が不明だという。同医療保険に加入するために援協の会員になっていた約900人が辞め、その分減少した。
 さらに菊地義治副会長から、「やすらぎデイケアセンター」をサンパウロ市ビラ・マリアーナ区に創設する件は、予定していた建物に問題があることが分かり、振り出しに戻ったことが説明された。さらに病院が将来の拡大をにらんで隣接地を購入する件も報告された。
 その他、同福祉センターの福祉部(3階、電話=3274・6518)では日替わりでヨガ、体操、ストレッチ、社交ダンス、ドミノ、囲碁、将棋、マージャン、折り紙教室なども無料で行われており、山下常任理事は「マージャンのパイを一組寄付してくれる人を求めている」と呼びかけた。
 八巻和枝福祉部長は取材に答えて、「日本語図書館もあるし、自由に時間を過ごしに来て欲しい。小遣い稼ぎになるような手芸やパンの作り方を教える教室もある。高齢者が集える、いろいろある行き場の一つにしてほしい」と語った。