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ボウサ・ファミリア=経費削減直後に20%調整=最高で242レの給付金=それほどの効果は期待できず

ニッケイ新聞 2011年3月4日付け

 ジウマ大統領は、総額501億レアルの経費削減の約束をした翌日の3月1日に、ボウサ・ファミリア(生活扶助)給付金の再調整をすることを発表したと2日付エスタード紙が報じた。
 バイア州訪問中のジウマ大統領が、4月からボウサ・ファミリアの給付金を平均で19・4%増加すると発表したもので、今回の再調整は最低賃金の再調整率を超え、実質インフレを8・7%上回っている。
 給付金の増加は、骨身を削る部分でも130億レアルの経費削減発表直後の政府に、20億9500万レアルの出費増をもたらすことになる。
 低所得家庭向けの給付金の再調整により、対象となる家庭では、最低32レアル、最高で242レアルの生活扶助を受け取ることになる。
 最高額給付の例は、家族一人当たりの月収が70レアル未満で、母親と父親、15歳までの子供3人に16〜17歳の子供2人の7人家族という場合で、基本の給付で70レアル、15歳までの子供3人に32レアルずつで計96レアル、16〜17歳の子供2人に38レアルずつで計76レアル、総額242レアルとなる。
 ジウマ大統領によると、ボウサ・ファミリアの再調整はより多くの子供を持つ家族を優先的に支援することが目的。ジルマ大統領は「子供や若者は、(大人に比べ)人生に対処するのが困難だから」優先的に支援すると述べ、近いうちに貧困絶滅のプログラムを開始することも約束した。
 3日付エスタード紙によれば、社会開発大臣のテレザ・カンペロ氏は、給付金が19・4%増加しても、ボウサ・ファミリアに登録されている540万の家族の内、一人当たりの月収70レアル以下の極貧状態から脱出できるのは、10%未満の50万家族のみとの見解を述べている。