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イペランジャホーム=ダリア祭りに約3千人=今年から市の公式行事に=「非日系も呼び込みたい」

ニッケイ新聞 2011年3月8日付け

 スザノ市にあるサンパウロ日伯援護協会「イペランジャ老人ホーム」(根塚弘ホーム長、入居者数29人)で開かれた『第17回ダリア祭り』が先月20、27の両日で、約3千人の来場者を迎え賑わった。
 サンパウロ随一といわれるダリア園には、朝陽、嶋娘など多種にわたる約3500本の大輪が咲き乱れ、来場者らの目を楽しませた。
 今年からスザノ市の公式行事になったことから、会場内で使うテントを市が無料賃貸。公道から同園に至るまでの道の整備も行なった。
 会場では、歌手伊藤カレンさんのステージをはじめ、レキオス太鼓、健康体操など様々な団体が練習の成果を披露した。
 日用雑貨、古本、観葉植物を販売するバンカのほか、婦人部らが提供するヤキソバやウドンも好評だった。
 かつてはサンマの炭火焼が名物。値段の高騰を受け、関係者に取り扱い業者がいたことからニシンに変わったが、「2週分にと購入した150キロが20日だけで完売。27日用に110キロを入荷した」(根塚ホーム長)と嬉しい悲鳴も。
 新しい食堂も設け、たこ焼きやお好み焼きを販売するコーナーには、長い列ができた。
 同ホームの通常赤字は、毎月6千レアル。現在20部屋があり、29人の入居者がある。このたび3部屋を増設した。 「定員の34人となれば、赤字運営が解消でき、インフラ整備に経費を回すことができる」と話す根塚ホーム長は、「手付かずの土地があるので手入れしたり、将来的には、入居者が農作業や造園を楽しめるシャレーの設置も検討したい」と施設の改善を視野に入れる。
 地元であるスザノ福博村の村会長で同ホーム経営副委員長の上野ジョルジさんは、「市の行事になったことで広報活動も広く行なうことができる。非日系の来場者にも来てもらい、発展していけば」と喜ぶ。
 米国ロス在住の日系三世、三保ダレルさん(45)は、「アメリカにも同様の催しがある。仲間の日系社会が頑張っていて頼もしい」と笑顔を見せていた。