BNDES=世界銀行超す融資額=世界不況を乗り切り=5年間で391%も増加
ニッケイ新聞 2011年3月12日付け
ブラジルの社会経済開発銀行(BNDES)の融資額が5年間で391%増加し、世界銀行の3倍に達したと10日付エスタード紙が報じた。
昨年のBNDESは963・2億ドルを融資しており、国際復興開発銀行(Bird)の融資額288・5億ドルの3・33倍にもなる。
国営銀行及び多国間の金融機関は、世界不況の影響で、経済回復と活性化への重要度を増していた。中でも、ブラジル国内での融資拡大ペースはBirdのそれよりも早く、2005年〜2010年の間にBirdの融資額が196%増加したのに対し、BNDESは391%増加した。
2005年のBNDESの貸付額は196億ドルで、既にBirdの97・2億の2倍以上だったが、2010年はこの差がさらに広がった。
一方、現在のブラジル経済は世界不況を乗り越え、むしろ過熱気味で、政府の経済チームの課題も景気刺激からインフレ抑制に変化している。
このため、財務省は3日に、今年の国庫からBNDESへの貸付金は550億レアルに減額することを発表。政府担当者は、2011年度のBNDESの支出は、昨年度を下回る828・6億ドルと推定している。
BNDESのフェルナンド・プガ経済部長によると、銀行からの融資増大はブラジル経済の成長に直接関連している。
例えば、2010年のブラジルの国内総生産(GDP)は前年比7・5%成長して3兆6千億レアルに達し、ブラジルは世界で7番目の経済大国となった。
プガ氏は、ブラジル全体の投資が増えた理由として、BNDESが融資を増額したことの影響が大きいと説明している。BNDESからの融資を利用した投資は、2006年〜2009年の4年間で9870億レアルに達しており、2014年までの累計は1兆6千億レアルになる見込みだ。