ニッケイ新聞 2011年3月12日付け
東北地方太平洋沖地震が発生した11日、サンパウロでブラジル日本商工会議所の総会と昼食会が開かれ、ここでも地震の話題で持ちきりだった。ある会社では本社が被災地域の社員・家族らの安否を確認し、ブラジル側にも連絡したところもあったというが、まだ事態がはっきりしない中、ブラジル側関係者の不安も大きいだろう。当日は総会の冒頭、1月のリオ州水害とともに、今回の日本の地震被害に対しても1分間の黙祷を捧げた。リオ州水害に対しては商議所の会員企業や本社などから多くの義捐金・救援物資が寄せられ、同所日系社会委員会の前田一郎委員長は協力へ感謝。さらに、このたびの地震災害について、「今後日本に向けた義捐金をお願いすることになると思う」と述べ、あらためて協力を求めていた。
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TVグローボの取材を受けるため、リベルダーデ広場で待機していた山下譲二・文協副会長と与儀昭雄・県連会長。午前10時の撮影と聞いていたものの、生放送のせいかズレにズレて11時過ぎに。「さきにツバをつけたのに…」と不満そうなグローボ関係者を尻目に、ほかのテレビ、ラジオ局が次々と二人に取材していた。ブラジルに対するアピールは十分、さてこれからはどれだけの支援キャンペーンを張るかがコロニアの力の見せどころ。
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東北地方沖の地震被害取材のため、11日、宮城県人会の中沢会長は午前中から引っ切り無しに10数社のメディアから取材を受け会館は報道陣でごった返した。中沢会長の下には報道関係者以外、サンパウロ市役所、日系の州、市議会議員からも「何か支援はできないか」との問い合わせがあったという。日系社会の枠を越えた救いの手が恐怖に震える日本に差し伸べられるか。