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ジラウ発電所騒動=バス45台燃え上がる=政府は連警の動員を決断

ニッケイ新聞 2011年3月19日付け

 15日夜起きた、ロンドニア州マデイラ川のジラウ水力発電所の建設工事に関わっている労働者とバス運転手の喧嘩が、45台のバスや宿泊施設の焼き討ちから、工事現場の全面的な破壊行為に発展。17日の労使交渉も訣別したため、軍や連警が介入し、工事は無期中断と18日付伯字紙が報じた。
 大統領宮殿では、ジラウ水力発電所の建設を任されているカマルゴ・コレイア建設会社から事情を聞き、鉱山エネルギー省とブラジル情報庁(Abin)の報告書を調べた上、軍と連邦警察の臨時動員を決めた。
 現場からの詳細な報告を受けたジウマ・ロウセフ大統領は、労働者の撤退、宿泊施設への移動を安全に行ってほしいと要求している。
 カマルゴ・コレイア社は、最低300台のバスを使い、約1万8千人の労働者をロンドニア州都ポルト・ヴェーリョに移動させた。建設は全て中止されており、復興の予定はたっていない。
 同発電所建設に携わる労働者の数は合計2万2千人で、経済活性化計画(PAC)のプログラムの中でも最大級の工事の一つだ。ジラウ水力発電所は、サント・アントニオ水力発電所と共に、マデイラ川水域の水力発電網を形成する為に建設されていた。
 カマルゴ・コヘイア建設会社によると一連の破壊行為はならず者による犯罪行為と述べおり、騒動は労働者と関係の無いマスクをつけた人達によるものと話した。
 動機は特定されておらず、建設会社は何の脅迫も受けていないと話し、労働者らは安全のため避難させたと説明した。
 ジラウ水力発電所の建設工事に携わる労働者の多くは、北部または北東部の州から来ており、労働条件が約束と違う、賃金調整に応じてくれない、食事補助やけが人、病人への補助も不十分だなど、苦情も山積していたようだ。
 現場では、約60台の車両や全ての宿泊所、保健所、事務所や警備員詰め所なども破壊されており、46基のタービンで3450メガワットの発電能力を持つ施設の建設中断は、後々まで尾を引きそうだ。