ニッケイ新聞 2011年3月19日付け
中曽根康弘元内閣総理大臣の第一政策秘書官を務める田中茂氏(53)が11日から18日までブラジルを訪れた。
26年間中曽根元総理の秘書を務める田中氏は、昨年の参院選全国区でみんなの党から出馬、惜しくも落選した。3度目の来伯となる今回は、アジア太平洋議員フォーラム(APPF)総会の打ち合わせのためペルーを訪れた帰途、ブラジルの支援者への御礼を兼ねて来聖した。
APPFは中曽根元総理の提唱によって92年に設立された、国会議員による組織。現在28カ国が加盟しており、年1回の総会には各国から約400人の議員が集まり、政治経済、文化、教育など様々な分野で決議を採択している。20周年となる来年の総会は東京で開催される予定だ。田中氏は「冷戦が終わった現在、あらゆる分野で信頼の枠組みを作ることが重要」と同フォーラムの活動を説明する。
現在のブラジルについて「資源大国、BRICsの大国であり、相当発展するだろう。日本にとって非常に重要な国。150万人の日系人との協力体制を活用できると思う」と話す。
一方で近年の両国関係には戦略性がないとし、「日本でも協力できる分野から入り、互いに活用し合う関係を作ることが大事」と述べ、信頼の醸成を高めることの大切さを強調する。
「他の皆さんほどではなくてもブラキチ」という田中氏。中曽根元総理の言葉「結縁、尊縁、随縁」(縁を結んだら、その縁を尊び、その縁に随う)の気持ちを大事にしていきたいと述べ、「これからも積極的にブラジルとの関係を持ちたい」と話した。