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カサビ氏が新党発足発表=14年サンパウロ州知事選睨み=10州から賛同者参集か=サンパウロ市長選には独自候補を

ニッケイ新聞 2011年3月23日付け

 18日に民主党(DEM)離脱を表明したカサビサンパウロ市長が21日、サンパウロ市議会を会場に民主社会党(PSD)の設立を発表したと22日付伯字紙が報じた。現時点での加入表明者は9〜10州からとされ、党執行部などの骨組みを固め、実質的な活動が始まるのは2〜3カ月後となる見込みだ。

 DEMサンパウロ州支部長も勤めるカサビ氏の同党離脱が取り沙汰され始めてから6カ月。定款も発表され、カサビ氏自身の2014年サンパウロ州知事選出馬も視野に置いた新党が、ようやく歩み出した。
 2010年の大統領選候補のジョゼ・セーラ氏がサンパウロ市長だった時の副市長で、セーラ氏がサンパウロ州知事選に立候補するために市長を辞した時から現職にあるカサビ市長。州支部長も勤める重鎮が同党と袂を分かつ理由は、DEMが、野党であるというだけで闇雲に反対を繰返すからだという。
 「一市民、一選挙民として、また、新しい政党の首脳として、大統領が善政を行う事を応援する人々の側に居る」との21日の発言は、20日のバイア州サルバドールでの「バイア州の場合、ブラジルにとってより良い道はジウマ大統領とジャケス・ヴァギネル州知事を支援する事」との発言と同じ趣旨だ。
 19、20日付フォーリャ紙は、20日にサルバドールで新党発足であるかのように報じていたが、正式には、21日のサンパウロ市議会での発表をもって新党発足。2月24日付フォーリャ紙が「新党設立後まもなく」と報じていた社会党(PSB)との合併は当面見送り、2012年のサンパウロ市長選などは、独自候補擁立の構えのようだ。
 ジウマ大統領を支援するという発言から、新党の与党入りを推測する向きもあるが、カサビ氏によれば、新党は「独立」政党で、国益となると思う事には賛同し、国益に反すると思う事には反対するという。
 新党加入者には、サンパウロ州のギリェルメ・A・ドミンゴス副知事やエレウゼス・パイヴァ下議、安部順次下議(DEM)、バイア州のオット・アレンカール副知事(進歩党)やフェルナンド・トーレス下議(DEM)などの名があり、セーラ氏の副候補だったDEMのインディオ・ダ・コスタ元下議らも交渉中。賛同者はサンパウロ州、アマゾナス、アクレ、アラゴアス、ゴイアス、トカンチンス、ロライマ、リオ、バイア、ミナス各州から参集すると見られ、49万人の署名が集まれば、選挙裁判所登録が可能となる。
 カサビ氏が14年のサンパウロ州知事選を狙っている事は周知の事実で、再選を頭に描くジェラウド・アルキミン知事には目の上のたんこぶだが、カサビ氏は「(選挙民として)同知事が州政を立派に果たせるよう支援する」と約束。セーラ氏との関係は「永続」という同氏は、当面はDEM党籍も残したままで、サンパウロ市長選候補選びなどを進める。