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【生長の家・谷口雅宣総裁夫妻来伯特集】肉食をやめ、世界平和を=国際教修会に2500人

 先月26、27はサンパウロ市アニェンビー会場で、「世界平和のための生長の家国際教修会」が開かれ、世界17カ国から2508人が参加した。今年は「食事と世界平和を考える」をテーマに、肉食が飢餓や地球温暖化を招くこと、世界平和を目指す国際平和信仰運動には「肉食忌避」が不可欠であることの共通理解が図られた。
 2003年に同総裁の着想で始まった国際教修会(以下、教修会)は、国際平和信仰運動の理念の正しい理解と実現を目指し、世界各国の幹部を対象に隔年で開催されている。当地での開催は3回目。

国際教修会に出席した谷口夫妻

国際教修会に出席した谷口夫妻

 生長の家はこれまでも殺生を伴わない菜食を勧めてきたが、「こうした食生活は、現代的な意味での宗教生活の実践にもなる」との雅宣総裁の考えで、現在は世界平和を推進する上での重要事項に掲げている。というのも近年、飢餓や環境保全の観点から見た肉食の弊害が明らかになりつつあるからだ。
 たとえば牛肉の場合、1キロを生産するのに7キロもの穀物がえさとして消費される。豚肉の場合は1キロあたり4キロ、鶏は2キロ、魚で1・8キロもの穀物が必要といわれる。そのため雅宣総裁は「穀物を動物に食わせてその肉を食する方法は、地球資源の大きなムダ遣い」と指摘する。
 世界の穀物価格は2010年4月以降で70%も上昇した。このまま食料価格が高騰を続ければ、貧困地帯の食事が犠牲になるのみならず、社会・政情不安も起こりかねないという。
 そうした中、一大食料供給国であるブラジルが、食糧危機やそれに伴う混乱を防ぐ鍵を握る国と考えられ、教修会の開催地に抜擢された。
 2006年にも当地で「肉食と世界平和」をテーマに教修会が開かれたが、世界の食肉消費に影響を与えるには至らなかった。その反省を生かし、今年は伯ベジタリアン協会の創始者マルリ・ウィンクラー氏も招き、より具体的な形で「ノーミート食」の重要性が説かれた。
 また、食肉大国でありながらベジタリアンが急増、今や人口の9%(IBOPE2012年調査)が菜食という当地の実態や、世界各地で興隆しているベジタリアン運動、ノーミート食を通した世界平和について理解を深めた。

谷口雅宣・生長の家総裁

谷口雅宣・生長の家総裁

世界は心の反映=生長の家 谷口雅宣総裁

 今日は、生長の家の3つの基本的教え「唯神実相」(ゆいしんじっそう)「唯心所現」(ゆいしんしょげん)「万教帰一」(ばんきょうきいつ)についてお話します。
 まず「唯神実相」とは、本当に存在するのは神の創造された世界、実相だけという意味です。神・自然・人間が調和し、悪いものは何一つない実相の世界に対し、われわれ人間が見ている世界は、不完全な「感覚」という色眼鏡で見た偽者の世界です。見えないものこそ本当のものなのです。
 全ての宗教の原理は一つで、これを「万教帰一」と言います。教えは時代や国によって変わりますが、全て世界共通の中心的真理を共有しています。経典を文字通り信じる原理主義も存在しますが、宗教は互いに認め合う必要があります。
 「唯心所現」とは、心の状態によって見える世界が変わるということです。人間は、見たものを、自分が知っている何かに関連付けて理解します。つまり事物そのものではなく、自分の中にあるものを見るのです。病気や不幸、全ての現象が心の反映なのです。
 私たちは自然を支配し生き物を殺し、環境を破壊してきました。しかし、自然を克服し人類だけが繁栄するというこうした生き方は捨てなければいけません。皆さんも、神・自然・人間が一体となった生き方を世界に広めてください。

谷口雅宣総裁のあゆみ

 1977年当時副総裁であった谷口清超氏が当地を訪れた際に随行し、初めてブラジルの地を踏み、イピランガ独立記念塔の前で第1回「ブラジル国発展と世界平和の祈り」に参加した。
 1993年には2回目の来伯を果たし、副総裁として相愛会、白鳩会合同全国大会と青年会全国大会を指導。
 2004年は「国際教修会」に出席、宗教には時代や社会情勢に左右されない中心的真理があると説き、世界三大宗教や政治学、心理学等多様な視点から国際平和信仰運動の実現を訴えた。
 06年も副総裁として当地を訪れ、「肉食と世界平和」をテーマに「国際教修会」を開催。教えとエコロジーの両観点から、肉食忌避が現代における宗教生活にふさわしいことを説いた。
 09年の国際教修会は、第3代総裁に就任後、初訪伯という歴史的イベントとなった。「自然と人間との共生・共存」をテーマに、アメリカ先住民や世界の主要な伝統的宗教の自然観を深めた。

プロフィール

 1951年、前生長の家総裁・谷口清超氏の次男として誕生。東京・青山学院大学法学部公法学科、米国コロンビア大学大学院国際学部を卒業後、日本で産経新聞の記者を務めた。
 2009年に総裁の法燈を継承し、日本国内各地で開催される講習会はじめ、各種行事の指導や執筆を通し、人類光明化運動・国際平和信仰運動の伸展に尽くす。
 米国、カナダ、ブラジル、香港、中国など海外でも積極的に布教に努める。

生長の家の沿革

 1930年、谷口雅春氏により立教される。すべての人間に神性・仏性が宿るとする「人間・神の子」の教えを、月刊誌『生長の家』など雑誌や書籍を頒布する「文書伝道」と、総裁、白鳩会総裁が各地に出向いて直接講演を行う「講習会」を2つの柱として、全国に広めている。
 伝道活動は女性組織の「白鳩会」、男性組織の「相愛会」、及び青年組織の「青年会」の3つの組織を通じて展開されている。
 創始者・谷口雅春氏が始めた、人類の生活の全面を光明化しようとする「人類光明化運動」は、谷口清超・前総裁、そして谷口雅宣・現総裁へと継承され、現在は唯一絶対の神への信仰によって世界の平和をめざす、「国際平和信仰運動」を展開、世界各国に運動の輪を広げている。