ニッケイ新聞 2011年4月7日付け
学校給食の汚職『マフィア・ダ・メレンダ』(給食資金マフィア)は9州に及んでいるが、サンパウロ市の汚職は労働者党(PT)マルタ・スプリシ、ブラジル民主社会党(PSDB)ジョゼ・セーラ、民主社会党(PSD)ジルベルト・カサビの3政権にわたって起きていたと2日付エスタード紙が報じた。
サンパウロ州検察局が押収した文書やメモ、証人や調査中の会社からの情報によると、汚職は政権を超えて続いていることが判明したという。
調査は、汚職に関与していたヴェルドゥラマ社の共同経営者で、実業家のジェニヴァウド・マルケス・ドス・サントス氏の証言を基に行われている。サントス氏は2010年3月26日、2人の弁護士と共に検察局に出頭し、情報を提供するかわりに刑を軽くする司法取引を交わした。
同氏によると、給食企業はカルテルを形成し、企業間で価格や生産量、販売地域などを割り振っていた。彼が共同経営者だったヴェルドゥラマ社は、エロイゾ・ゴメス氏が社長を務めるSPアリメンタソン社グループに属し、給食外注企業では国内最大手の一つ。ゴメス氏はゴウルマイトゥリ社なども背後から動かしていた。
これらの企業(ヌトゥリプラス、ジェラルド・J・コーン、コンヴィダ)は価格や販売地域などをあらかじめ決めて入札に参加。賄賂の支払いや国からの給食補助費受け取りにはカラ伝票や水増し伝票を使っていた。学校給食受注により、2008年から2010年の間に不正に動いた金は約2億8千万レアルに上ると見られている。
サンパウロ市では、マルタ政権で始まった学校給食の外注拡大のため、2004年や2008年の市長選候補者への選挙資金提供もあったという。マルタ政権では30%だった外注率は、一時90%に達した時期もあった。
2009年の給食絡みの汚職告発以来、外注は減っているが、検察局の捜査で告発された部局担当者や実業家たちは、事件について、否定又は口を閉ざしている。
元知事で元市長のセーラ氏と、元市長のマルタ氏は同件についての言及を避けているが、マルタ氏は09年の調査開始当初、「証拠もない不合理な話だ」と述べていた。