ニッケイ新聞 2011年4月13日付け
【ロンドリーナ発=中川芳則通信員】パラナ平和友の会(間嶋正典会長)は3月15日、市内食堂で会合を行ない、女性3人を含む16人が出席した。
同会は年に4回(3、5、8、12月)集まっているが、出席者は年々減り続けている。戦争を体験した正会員の多くは鬼籍に入り、現在は準会員が多くなっている。
今回はロンドリーナから約100離れたマウア・ダ・セーラから上口誠二氏、バンデイランテス市から身吉勉氏が駆けつけた。
戦没者、開拓先亡者、東日本大震災の犠牲者への黙祷が捧げられた。
司会を務めた副会長の谷口幸一氏は「和やかに昔の思い出話、健康を保持する話、家族の自慢話に花を咲かせ、楽しく過ごしましょう」とあいさつ。
自家果樹園から柿を持参した間嶋会長は、昨年の農産品評会で苗を販売した健康果樹「ノニ」について語り、会員の高見沢氏が栽培しているものを15キロ持参、出席者らに配布した。
会員から「苗木が育ち、ピンポン玉ほどの実がなっている」と報告があったことから、ロンドリーナ文化体育協会(アセル)主催で6月に開催される「第50回農産品評会」には、桜の苗木に加え、ノニの苗木も販売することが決まった。
会員一同で「平和友の会会歌」を合唱、中川氏の音頭で乾杯の後、食事をしながら歓談を楽しんだ。
午後からは、ロンドリーナ農事試験場の隣接地に造成中の植物園の視察に向かった。
同園はパラナ州政府が原始林を囲む60アルケールの土地に3年前から手がけているもので、13年に開園予定。
現在、州の観光長官を務めるセイダ元ロンドリーナ市長が日系コロニアに5アルケールを提供することを打診していることから、間嶋会長は「ウライの故森清氏の博物館を移転し、保存しては」という構想を熱く語った。
同園のマルガレッチ研修生の案内で視察を行なった会員からは「若い人の手で憩いの場を造り、桜祭りを開催できれば」などと話し合っていた。